ウクライナ戦争は、保守右「B層」をあぶり出す

 ゼレンスキー・ウクライナ支持派の人たちに共通点(認識)がある――。

  ① どんなことがあろうと、戦争・侵略した側、つまりロシアが悪い。
  ② ロシアは歴史的にみても、シベリア抑留などで悪である。
  ③ ウクライナ人は、可哀そうな被害者だ。国を守る人は英雄だ。

 この人たちはまず、①の「どんなことがあろう」という重要な「どんなこと」に関心がない。不勉強で「どんなこと」を知らない。世の中を「善」「悪」の単純二極化し、「善」「悪」以外のグラデーション域を知らない。

 次に、②のシベリア抑留では確かに日本人は5万人以上死んだ、しかし広島・長崎の原爆で30~50万人も死んだ。だったら、ロシアよりもアメリカがもっと悪ではないか?その矛盾を説明できない。

 最後に、③はもう言う必要もないだろう。単純な情緒的認知にすぎない。結局①の戦争の背景、経緯と本質への不理解からきている。その人たちは、固定観念と情感の域から出られていない。

 「B層」、右にも左にも大量にいる。ウクライナ戦争の一件で、左のメディアにまんまと乗せられた右B層は、まさにB層である証左である。これは、バイデン就任以来の最大の成果といえる。見事!

 「B層」とは、要するに「普段モノを考えない人々」のことだ。小泉郵政民営化のときに作り出されたことばだった。「改革派か抵抗勢力か」のように問題を極度に単純化することにより、普段モノを考えていない人々の票を集めたわけだ。小泉自民党はマーケティングの手法を駆使し、圧勝した。

 物事の本質を抉り出すには、莫大な量の勉強が必要。一方、勉強組・思考組の人もたくさんいる。彼・彼女たちにもまた共通点がある――。

 ① 「なぜ」を聞く、「なぜ」に答える。
 ② 倫理観を挟まずに、当事者の目線でものを見、当事者の頭脳でものを考える。
 ③ ロシアとウクライナだけでなく、米欧中等の当事者も網羅し複合的全体像を捉えようとする。

 思考の品質がまったく異なっている。

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