負け方が選べないウクライナの苦境

 ここのところ、中国メディアのウクライナ報道には、表現上の小さな変化が見られた。従来のロシア軍の「快進撃」から、ウクライナ軍の「潰敗」に変わった。

 ウ軍の死傷は1日1000人(ウクライナ発表)というが、ロシアは数十名にとどまっている。今の問題は、戦い続けるか降伏するかの問題ではない。降伏の仕方だ。

 ゼレンスキー本人はオーラを消しながらも、今更降伏など言えない。周りの誰かが仲介に入らないと無理。だが、誰も手を上げない。降伏を言っただけで、ポリコレ棒に叩かれるからだ。

 先日独仏伊の3トップが連れ立ってキエフ訪問したのは、相互監視のためだろう。降伏推奨の言い出しっぺは誰も引き受けたくない。結局、3トップは口をそろえて「ウクライナ支持」とポリコレに徹していた。

 最終的に、習近平が出てくるだろう。彼しかいない。こうなれば、この戦いは、中露の勝利。

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