マラッカ(2)~「ポルトガル人居住区」の秘密

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 ポルトガルとの繋がりを切り離してマラッカを語ることはできない。大航海時代を迎えたポルトガルは1511年に武力でマラッカを占領した。しかし、ポルトガルはマラッカを単なる貿易拠点として扱い、広域の植民地支配に手を出さなかった。そのため、マラッカの拠点は孤立化し、1641年にオランダが進出してポルトガルを追い出し、マラッカを東インド会社の支配下に収めた。

 130年に及ぶポルトガルの占領。短いといえば短い。長いと言えば長い。多少なりともポルトガルの面影は今日もみられるだろう。という期待をもって現地に行ってみると、必ず紹介されるのはここ、「ポルトガル人居住区」(Portuguese Settlement)。ユーラシアンとも呼ばれているポルトガル人初代植民地支配者の末裔が暮らしている集落である。

 ただし、過剰な期待はしないほうがいい。私は2度目の訪問で実態が多少分かっているつもりであるから、単純にユニークな食目当てだけにとどめていた。というのはこの界隈はかなり混血や混住が進み、チャイニーズ化されているからだ。ポルトガル料理の屋台村があるというが、見た目では中華B級そのものだ。

 とはいえ、足を運ぶ価値は十分あるのだ。

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