唯物論と唯心論は対立していない

 宗教とは、人間の目指すべき方向を示すものだ。

 目指すべき方向に人間が自ずと向いて動いていれば、宗教も不要になる。では、なぜ、そうなっていないのか?その「なぜ」を取り扱うのは、決して宗教の表向きの機能ではない。

 宗教といえば、どうしても唯物論唯心論の対立を想起する。しかし、唯物論と唯心論は対立しない。例えば唯物論者が盛んに使っている「ポリコレ」は唯心論次元だ。つまり唯心論そのものを唯物論の「物」として扱っている

 その反対は?もちろんある。マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』は、禁欲と富の関係を通じて唯心論と唯物論の結合を示唆してくれた。

 唯物論と唯心論は、交差しているのだ。

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