「私は総経理だ。だから、社内懲罰委員会の大権を握って、不良社員に対し処罰を行う」
総経理の仕事は何であろう。もう一回考えてほしい。総経理は裁判官ではないし、会社に私設裁判所を設ける必要もまったくない。しかも、中国の労働法令では、このような行為は容認されていない。
不良社員がいた場合、処罰されることは当然である。だが、総経理の権力で処罰されるのではなく、合法な就業規則・賞罰条項に基づいて処罰行為が行われるのである。たとえ裁判官でも裁判官その人物の権力でもなく、裁判所の権力でもなく、法律のパワーで犯罪者が裁かれるのである。
法制度をなくせば、「法治」が滅びるし、「人治」となる。「人治」では、秩序も生まれなければ効率も生まれない。いまだに、「人治」下におかれる日系企業が多い。
今日は、なじみの顧客K社のAさんと会食しながら、Aさんは「馬鹿総経理ども」の愚行を痛烈に批判し、私は大きな拍手を送った。
がんばってください。Aさん、負けないで、私も同じ陣地に立って戦います。