氷箱壊了

 「氷箱壊了」

 冷蔵庫が壊れた。電気が止まった冷蔵庫の中、全損状態に近い。何としてでも捨てられないのは、日本から買ってきたホヤ(海鞘)の塩辛とノルウェーで仕入れたキャビア。においを確認して何とか大丈夫だったようで、日本酒と一緒にいただいた。

 昨夜は、空っぽになった冷蔵庫とにらめっこして、しかたなく外食に行った。行きたい店は国慶節で閉まっている。最後たどりついたのは、某ホテルのカフェ。タイ風レッドカレーを食べて、国慶節を祝った。

44681_2冷蔵庫が壊れた、やむを得ず外食だ

 冷蔵庫といえば、びっくりするだろうが、我が家の使っている冷蔵庫は、なんと15歳の高齢だ。家具つきのマンションなので、徹底的に壊れない限り、新品を家主から買ってもらえない。粗大ごみ減量で、環境保全には貢献しているが、年に二回三回は必ず故障する。

 冷蔵庫が壊れる。冷蔵庫よりも、中身の方が気になる私。駆けつけた家主はやさしい。「ダメになった食べ物を弁償しますから、いくらでしょうか」。

  いやいや弁償といっても、旅の思い出は金で買えませんよと言いたかったが、止めておいた。連休を潰してやってきた家主には、スリランカ土産の紅茶を二缶上げて、喜んで帰ってもらった。

 家賃は特別に安くしてもらっているので、これくらいは我慢しないと。

 「壊了(ホァイラー)」、16年前に家内が中国に来て真っ先に覚えた言葉。そして、「修理(しゅうり)」という言葉は、何と、日本語も中国語も発音まで同じなので便利だ。

  「修理」は、環境保全だけでなく、就業創出にも貢献しているのである。逆に、何でも「新発売」に飛びつき、まだまだ使えそうなものをどんどん処分していく日本は、いまの私の目に異様に映った。

 国慶節快楽!