中東有石油・中国有稀土、日本は資源もリスク管理も欠如している

 「レアアース(希土類)」

 馴染みのない化学元素だが、いまや知らない日本人が少ないだろう。一連の「島主権」問題に絡んで、中国の対日レアアース輸出規制問題が毎日のようにメディアに取り上げられるようになった。

 「中東有石油、中国有稀土」(中東に石油あり、中国にレアアースあり)・・・鄧小平

 鄧小平はやはり偉大だ。1992年南巡講話のとき、まさか18年後の出来事を見事に予見したかのように、発言をしていた。

 日本を含めて世界的にも9割以上の産出を中国に頼っているレアアースの問題で、いまさら代替品の開発やら他の産地の物色やら、いろいろ慌てて手を打っているが、長期的リスク管理は成功しているとはいえないだろう。

 企業も同じだ。特定の中国企業と取引していて、長期にわたっての「信頼関係」に頼りきっている日本企業は少なくない。「他に調達先を複数確保した方が良いのではないか」と、私がコンサルタントとしてアドバイスすると、往々にして無視される――。「コンサルタントって、所詮それが商売なんだろう」といわんばかり。私はまるで、蜜月のカップルに陰口をいう卑劣者のようだ。

 「信頼」と「リスク管理」の本質を根本的に理解していない企業だ。

 昨日、菅総理大臣は、来日中のモンゴルのバトボルド首相に、レアアースを含める鉱物資源開発の協力を要請した。これはリスク管理とはいえず、消防隊の消火活動だ。遅い。

 世の中、鄧小平と同格の戦略家は少ない。特に日本。いつまでも足元しか見ない。いつまでも自分のことしか考えない・・・このような国家や企業には、レアアース問題はただの序の口だ。

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