<雑論>LGBT法の成立 / 中東アラブの米国追い出し / ウクライナの「反転攻勢」 / 「底線思維」と「極限思維」 / ビル・ゲイツとブリンケン

● LGBT法の成立

 LGBT法は成立した。賛成票を投じた多くの保守派議員の心中は、賛同しているように思えない。その葛藤を決して口にできないこともよく知っている。

 G7の中で日本だけが1周も2周も遅れている法案を何としてでも一刻も早く通してやる、という「義務感」に駆られていた。それだけのことだろう。立法の目的と手段は倒錯している。だから、何でもいいから、言葉を濁してでも法律だけ成立させれば事足りると。言ってしまえば、LGBTの人たちには失礼極まりないことである。

 しかし、ことはそう簡単ではない。日本はこれで、米国主導の共産主義2.0の極左線路に入った。LGBT法は単なる端緒を開いたにすぎない。ほくそ笑んでいるのは、対岸の中国であろう。民主主義の自縄自縛は、際限なき、義務が伴わぬ個人権利欲望の暴走から始まる。

 米式民主主義は終末期を迎えよう。そして自民党は日本国最大の似非保守集団であることを、国民は知っておくべきだろう。LGBT法の採決時に退場した自民の山東昭子前参院議長、青山繁晴参院議員、和田政宗参院議員の3氏、そして目的はどうであれ、法案に反対した立憲民主、共産、社民、れいわ新選組に敬意を表したい。

 日本には、もはや、保守政党は死滅した。それができるまで批判されようと、私は投票しない。腐った肉と腐った魚から選べと言われても困る。私は「選ばないこと」を選ぶ。

 LGBT法の一件、国内保守層にも反対者が多いが、岸田氏からしてやらざるを得ないことをやっただけだ。サラリーマンと同じ。議員も然り。人間はまず自分たちの利益だから。どんな酷い法律を作っても、自民党に投票する人が大勢いる。これを分かっているから、岸田氏は安心していられるのだ。だから、民主主義国家の問題は、末端国民の問題。強いて言えば制度の問題だ。

● 中東アラブの米国追い出し

 イラン海軍イーラーニー司令官は6月2日、「イラン海軍とサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、バーレーン、イラクを含む地域諸国の海軍により、近く海事連合が形成されるだろう」と発表した。イランとロシア、中国、オマーン、パキスタンとの間にすでに形成された海事連合が拡大する形となる(2023年6月3日付けイランIRIB通信)。

 イーラーニー司令官はさらに「この連合の形成により、正当性を欠くあらゆる(地域外の)軍隊は、ほどなく地域から撤退することになるだろう」と述べた。これは明らかにアメリカの第5艦隊(ペルシア湾、紅海、アラビア海から、ケニアまでの東アフリカを責任地域とする艦隊)を指している。

 7年前に国交を断絶し、激しく対立してきたサウジアラビアとイランはついに、今年4月に中国の仲介で国交回復したばかり。宿敵同士のまさかの和解は、国際社会に大きな驚きを広げていた。なんと、2か月も経たないうちに今度、電撃の海上連合と米軍追い出し作戦とは、驚きにまた驚きだ。

 そもそもいままでの敵対関係は、アメリカの仕業によるものだったのか。それが明らかになったとき、その怒りが瞬時にある種の反動に転じる。血の気が多い、中東アラブ人の気質の現れだ。とにかく他国の分断で利益を得てき、和解を一番恐れているのはアメリカだ。

● ウクライナの「反転攻勢」

 ウクライナ軍が「反転攻勢」で7つの集落を奪還。村名だけが付く焼け野原化した集落を奪還するに、どれだけの犠牲を払ったのか、これから払い続けるのか。割に合わない戦闘、人命。「コスパ」を無視したゼレンスキーは、とにかく米欧に「業績」を見せたかった。

 この心理と動機付けを、ロシアがうまく利用した。さほど価値のない集落を放棄しながらも、ウクライナ兵士をなるべく1人でも多く殺害する。同時に、米欧から運んできた武器弾薬を収納する倉庫を狙い撃ちする。ウクライナ兵の戦死者や捕虜に「外国志願兵」が増え続けているのは、ウクライナ兵の人的資源の枯渇を意味する。

 西側のメディアは、本質を報じていない。報じられないだろう。

● 「底線思維」と「極限思維」

 最近、私は習近平の「底線思維(ボトムライン思考)」と「極限思維(極限思考)」を勉強している。最悪の時に何ができるか、と、最大どこまで何ができるかだ。戦略の基本を実践している習近平。日本人政治家でそれができる人、誰かいる?中国に負けて当然だ。LGBT法しか知らないアホども。

● ビル・ゲイツとブリンケン

 6月16日、習近平が熱烈歓迎でビル・ゲイツと北京で会談した。しかし、2日後に訪中するブリンケン米国務長官とは辛うじて会見したものの、あの冷遇ぶりは何だったのか。習近平はビル・ゲイツとは並んで座って社長同士の対話だったが、ブリンケンの場合は会議テーブルの社長と部長席で、ブリンケンは角度付けて両手を膝に置き、習近平の訓示を仰ぐ形になっていた。

 理由は簡単だ――。5年後や10年後のビル・ゲイツは、相変わらずトップ級の「経済人物」だろうが、しかし、ブリンケンは2年後すらわからない。3流以下の「政治人物」に転落しているかもしれない。

 経済が政治を制する。財界の銭が政界の票をコントロールする。だから、政界を変えるのではなく、財界を押さえておくのだ。将来を見据えての長期戦略とは、こういうことだ。逆にいうと、民主主義下の政治家はトランプ以外、ほとんど長期戦略など持ち合わせていない。日本も然り。

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