作曲家と演奏家、音楽や芸術視点のコンサルタント論

 週末のコンサートの余韻で、素人目線の音楽や芸術のことで一服しよう。

 クラシックといえば、私はずっと疑問に思っていることがある。なぜ、現代、特にこの100年に、ベートーベンやモーツァルト、ショパンのような巨匠が生まれなかったのか。そして、現代では概して言えば、演奏家が多いが、作曲家が少ないというのもなぜだろう?

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 ある意味では、作曲家として成功するのが、演奏家よりはるかに難しく、人生のリスクも高いだろう。子供をピアノ教室に送り込む親は、おまえは将来偉大な作曲家になるんだぞというのだろうか。それとも名ピアニストになってほしいのか、あるいは単なる教養として身につけてほしいのか。

 現代社会では、芸術よりも経済学先行のきらいがある。よくいえば人生プラン、悪く言ってしまえば打算深い。音楽を業とする多くの人も例外ではないだろう。

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 もし、私が平均寿命に上乗せして、さらに30年~50年ほどの命をもらえるのなら、音楽の道に進みたいと、友人に打ち明けたことがある。なぜなら、私がもっとも不得意とする分野は、スポーツと音楽だからだ。さぞかし余命をスポーツで燃やすわけにもいかず、音楽で一旗挙げようかと夢のようなことを言い放している。

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 コンサルタントはロジック、アーティストは感性。まるで別世界のように見えても、実はコンサルタントにも高い感性が求められるのである。ロジックは下地のようなもので、コンサルタントの作品の基盤を形成するに必要不可欠だ。そして、いよいよ仕上げだ。ここだ。ピカッとしたひらめきがあれば、最高の作品になる。そのひらめきの源泉は、アートであったり、非常に感性豊かなものであったりする。

 パラドックス(逆説)的なアプローチは、理路整然とした思考だけで難しいときは、アーティストのような大胆なインスピレーションで一気呵成に仕上げる場面がある。演奏家よりも、より作曲家に近いものである。

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