チェコ紀行(7)~オペラ・ナイト in プラハ国立オペラ座

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 10月7日(金)、古都チェスキー・クルムロフから首都プラハへバスで移動。昼過ぎに、「マンダリン・オリエンタル・プラハ」へチェックイン。

 プラハでは3泊だが、すべての三夜は観劇やコンサートの予定が入っている。券は事前にホテルのコンシェルジュに頼んで買っておいてもらった。

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65904b_214世紀に建造されたかつての修道院を改修した「マンダリン・オリエンタル・プラハ」

 今回の旅のメインテーマの一つは、音楽。チェコといえば、偉大な作曲家ドヴォルザークとスメタナ抜きには語れない。特にドヴォルザークはブラームスと並んで私の大好きな作曲家の一人だ。

 10月7日夜、プラハ国立オペラ座でドヴォルザーク作曲の歌劇「ルサルカ(Rusalka)」 を鑑賞。

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65904b_3プラハ国立オペラ座

 森の奥にある湖に住む水の精ルサルカは、王子に恋をし、魔法使いイェジババに人間の姿に変えてもらう。ただし、人間の姿でいる間はしゃべれないこと、恋人が裏切った時にはその男とともに水底に沈む、というのが交換条件だった。美しい娘になったルサルカを見た王子は一目ぼれして、彼女を城に連れて帰り、結婚する。

 しかし、何日経っても口をきかないルサルカを不満に思った王子は、祝宴にやってきた外国の王女に心を移してしまう。居場所をなくしたルサルカが、水の精によって池の中に連れ込まれてしまう。王子は恐怖のあまり王女に助けを求めるが、王女は無情に逃げ去る。

 森の湖へ移されたルサルカに魔法使いは、元の姿に戻すには裏切った男の血が必要だと語り、ナイフを渡す。王子を殺すことはできないと、ルサルカはナイフを捨ててしまう。ルサルカを探して王子が湖にやってくると、妖精達から自分の罪を聞かされ、絶望的にルサルカを呼ぶ。王子はルサルカに抱擁と口づけを求める。それは王子に死をもたらすのだとルサルカは拒むが、王子は「この口づけこそ喜び、幸いのうちに私は死ぬ」と答える。ルサルカはもはや逆らうことをやめ、王子を抱いて口づけ、二人が暗い水底へと沈んでゆく・・・

65904_4プラハ国立オペラ座

 第一幕にルサルカ(ソプラノ)が歌うアリア、「月に寄せる歌~白銀の月よ」。切なくも美しいメロディに心打たれ、闇に妖艶に輝く月、水際で戯れる精霊たち、神秘のベールに包まれた森、メルヘンチックな舞台とともに美しい旅の思い出に・・・

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