セミナーに出なきゃ良かった?

 2月15日(火)、北京セミナーは恒例によって10名満席の小規模で開催。

 異例の質問の少なさに驚いた。質問がないというのは、いくつかパターンがある――。「すべて理解できた」「まったく理解できていないので、質問のしようがない」、そして、「その場で聞きづらい」など。一部すでに案件着手している顧客企業はほぼ理解しているものだと思うが、そのほかの参加者たちの状況はどのようなものか。

 これまで、中国労働法や中国の人事関係のセミナー初参加の方で、想像を絶する中国現場の状況に愕然となり、言葉が出ないケースもある。

 「あのとき(立花のセミナー)、一瞬、出なきゃよかった、知らなきゃよかったと思いました。知れば知るほど恐ろしい。でも、論理的な説明を聞いて、恐ろしい状況は事実だということをよく理解できました。ショックを受けましたが、それが原動力になって、今の制度改革に漕ぎ着けました。本当に良かったと思ってます」

 このような参加者もおられる。いずれにせよ、情報発信をし、企業と一緒に問題を一つ一つ潰していくのが私の責務だ。

 2008年からは労働契約法騒動で、いわゆる個別労働者レベルの労務問題だったが、いまは状況が変わった。全体の賃上げを中心とした集団労働関係の問題と複合的に交差しているため、人事労務問題が一層複雑化した。

 中国は、「富を創ることで頑張る」時代から、「富を分配することで喧嘩する」時代に入った。