事務所内朝食禁止、同じおやつなのに何故午後がOKで朝がダメ?

 事務所では、朝タイムカードを打ってから事務机で朝食を広げて取る従業員がいたので、「事務所での朝食禁止令」を出した。が、午後のおやつタイムはそのまま残しているため、「同じおやつを食べるのに、なぜ午後がOKで、朝がダメか」と疑問を提示する従業員が数名いた。

 素朴な質問ではあるが、雑学の欠如に閉口した。

 まず、問題は食材(スナック)ではなく、食文化的、生理学的な性質の異同にある。

 朝食のことを、英語で「Breakfast」という。断食(fast)を破る(break)が原義である。朝起きて、一日の活動を始めるためのエネルギーと栄養を取る、一種の生命維持活動である。

 午後のおやつタイムのことを、英語で「Refreshment」という。元気回復、気分をさわやかにするために軽くスナックをつまんだり、コーヒーやお茶を飲んだりすることである。

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 カフェに入ると、同じ食材(スナック)でも、「Breakfast」になり、「Brunch」になり、「Lunch」になり、「Refreshment」になり、「Tapas」になり、「Dinner」になり、さらに「Supper(夜食)」にもなるわけだ。時間帯や目的によって、同じ食材は見事に多様な役を演出しているのだ。

 次に、法的側面からみてみよう。朝始業後の勤務時間は、朝食という個人的私用時間を排除しているのが明白だ。午後のおやつタイムを提供することは、法的義務でなく、会社の権利である(高度の任意性がある)。仕事で疲れただろうから、一服しよう(Refresh)という目的だ。朝も午後も従業員は勤務時間内に正常な労働を提供する義務がある。が、会社は午後の所定時間に、「おやつタイム」を設ける権利がある(義務ではない)。このような義務と権利の関係があるわけだ。

 さらに、仕事場でのおやつタイムは、それなりのマナーも必要だ。「オフィスでのお菓子・おやつタイムのマナー」のような情報も、インターネットで検索すれば、入手はさほど困難ではないはずだ。

 何事も考えることが必要だ。コンサル会社の従業員としてはなお一層情報を調べたり、考えたりする習慣を付けなければならない。教育徹底していないのが私の責任だ。反省。