ハワイ(11)~立花流のリゾート、「遊び」と「仕事」の関係論

<前回>

 リゾート。

 「リゾート(resort)」とは、何を意味するか?余暇、保養・・・。大方はこう理解しているだろうが、もう少し原文の「resort」を考えると、真意が見えて来るはずだ。

 「ソート(sort)」とは、並べ替えることだ。「re」を付けると、「再度並べ替える」ことになる。つまり、日常のことを忘れて、頭の中を整理することだ。「頭の最適化」と理解すべきだろう。

73154_273154b_2「Four Seasons Lanai Manele Bay」の客室

 以前、日系企業で会社勤めのとき、私が上司に「リゾートに行ってきますから、休みをください」というと、「また、遊びか」と皮肉られたことがある。

 「遊び」というと、もうひとつの言葉を想起する――「リクリエーション」。「リクリエーション (recreation) 」は、確かに、娯楽や余暇、レジャーなどを意味する。しかし、この「re-creation」の本当の意味は何か?「creation」は「創造」だから、「再創造」という意味になる。

 「遊び」は、次の生産性向上につながる。こう理解すべきだ。

 日本人の「仕事」と「遊び」に対する捉え方は、どうも頑張って仕事に励んでいる方が、「遊び人」より評価されやすい傾向がある。それは、「遊び」の真義に対する誤解から生まれたものだ。「遊び」にはなぜか後ろめたさが感じられる。私のある友人(日本人)は有給休暇を取って海外にいくのに、「実家に帰る」と会社に嘘をついたりする。海外で悪天候やテロ襲撃に遭遇して、帰国の便がキャンセルされたら、会社にどう説明するのか?他人事ながらこっちが冷や冷やしちゃう。

73154_373154b_3ゴルフのできない私はこんな子供の遊びで・・・

 「遊びに行く」と言ったら、「もっと、仕事頑張れよ」とはっぱをかけられたりするのは日本人。「遊び」と「仕事」をなぜ対立させるのか。年3回以上も海外でリゾートするやつと、有給休暇返上と残業に没頭するやつ、どっちが評価されるのだろうか。私の回答は、「どちらも判断基準にできない」。結果をまず見るべきだろう。生産性を評価することだ。

 コンサル現場では、「うちの社員は定時になったらさっさと帰ってしまう。残業もしないし、がんばる姿勢もない」と苦情をいう上司がいる。私はこう答える。「仕事が終わったら、早く帰ってどこが悪い?電気代と残業代の削減でどこが悪い?仕事が終わらないで帰ってしまったら、それは確かに問題だ。そこで問題はどこにあるかを考えよう。仕事の与え過ぎなら上司の問題、仕事の効率が悪ければ両方の問題、問題を突き止めて解決すればいいじゃないか」

73154_473154b_4今回ハワイで、この2冊を読んだ

 姿勢を見ないわけではない。まず結果を見てから、次に姿勢を見るのだ。結果が悪くても頑張っている社員は助けてあげる。結果が悪くて遊んでいる社員は、クビだ。結果が良くて頑張っている社員と遊んでいる社員には、同じご褒美を与える。それだけ、簡単なことだ。

 私は部下に、「頑張れ」という言葉を絶対に使わない。自分も、他人に言われることが好きではない。ということで、私自身おいては、自分流の「リゾート(re-sort)」をやり、頭の最適化に徹する。

 ハワイの海は美しい。休暇満喫、満足・・・。旅日記も、あちこち話題が飛んで長くなってしまったが、これでおしまい。

<終わり>