日本草食時代に終止符を!変えるか死ぬかのサバイバル時代に

 2月28日第183回国会での安倍総理の施政方針演説を聞いて、心打たれた。そして、スピーチを得意としない各社社長や総経理にもぜひ、勉強してほしい。
 
 「強い日本」。それを創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です。
 「一身独立して一国独立する」
 私たち自身が、誰かに寄り掛かる心を捨て、それぞれの持ち場で、自ら運命を切り拓こうという意志を持たない限り、私たちの未来は開けません。
 私たち一人ひとりが、自ら立って前を向き、未来は明るいと信じて前進することが、私たちの次の、そのまた次の世代の日本人に、立派な国、強い国を残す唯一の道であります。
 我が国は、受け身であってはなりません。・・・日本は、ルールを「待つ」のではなく、「創る」国でありたいと考えます。
 ひたすらに世界一を目指す気概。こういう皆さんがいる限り、日本はまだまだ成長できると、私は、確信しています。
 今一度、申し上げます。皆さん、今こそ、世界一を目指していこうではありませんか。
 一度の失敗で烙印が押され、「負け組」が固定化するような社会は、「頑張る人が報われる社会」とは言えません。何度でもチャレンジできる社会を創り上げてまいります。

 政治家が嘘をつく。このスピーチがもし嘘なら、立派な嘘ではないか。この立派な嘘を真実に変えようではないか。日本人は国や会社といったいわゆる組織に頼ってきた。ある程度の努力さえすれば、なんとかなると思ってきた。もう、こういう時代ではなくなっている。

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 私が自分のブログでも繰り返し呼び掛けている。一人ひとりが自立して、批判的な思考で物事を捉え、自分の運命は自分で切り開こう。そして、強くなろう。

 決して受け身的なルール待ちではなく、どんどんルールを作ることだ。アメリカはなぜ強いか、世界のルールを作っているからだ。日本は少なくともアジアのルールをどんどん作っていくべきだ。中国も同じことを狙っている。だから、少なくともリーダーシップの争いというレベルで、真の日中友好はありえない。

 日本人は草食動物であり続ければ、弱くなる一方だ。安倍総理の施政方針演説は、「日本草食時代」に終止符を打とうと訴えているのだ。

 安倍総理の論点は正しい。だが、必ずしも実現できると楽観視はしていない。国民に草食脱出願望がなければ、机上の空論となる。日本人に必要なのは、サバイバル力だ。TPP交渉で、日本の農業が潰れると。日本の農業はそんな弱いか。人間はそんなに簡単に潰れるものか。もし、本当に潰れるのだったら、なぜ潰れるか、どうやったら潰れないように済むかを考え、行動を起こそうではないか。いや、それだけでは足りない。いかに競争相手を潰すかを考え、行動する、このような気魄を持たなければ、本当に潰れる。それはTPPにではなく、自分自身に負け、自分自身に潰れるのである。

 TPP交渉参加は、絶好のチャンスだ。交渉だから、ルール作りに絶好のチャンスではないか。TPPを聞いただけで尻尾を巻いて逃げるような輩はいずれ潰れるだろう。

 民主党も自民党も腐っていると私は言ったが、今度の安倍政権は少し違う。民意迎合よりも、正論を考え、訴えている。正論は必ずしも大多数の民意に沿ったものではない。いや、むしろ今の日本は、多数決の民主主義の弊害が正論を浸食している。

 安倍政権の今後のリスクは、正論が民意に潰されるところにある。改革が必要だということは、日本国民の誰もが知っている。変わらなければならないこと。でも、誰が何を変えるのか。結局、政治家あるいは呆然と国が変えてくれるだろうと思いこんでいる、信じ込んでいる国民が大多数ではないか。

 「良くなってほしい」「政治家に頑張ってもらいたい」「なんとかしてほしい」「○○に期待している」・・・。街頭インタービューを見ても、このような発言ばかりではないか。「ほしい」「もらう」「期待する」・・・、いずれも他人任せの言論である。主体性ある発言はほとんど見られない。

 安倍総理がおそらくすでにこの盲点に気付いたと思う。施政演説の論調は、「国民の独立精神」「受け身脱出」「ルール作り」と、いずれも国民の思考回路の切り替えを呼び掛けるものであった。それがうまくいくかどうかわからない。ただ分かることは一つ、今回は日本のラストチャンスであることだ。いまの日本は、末期状態だ。国民末端までの改革意識をもって第二の戦後復興を果たすか、そのまま破たんのどん底に滑り落ちるか、誰も知らない。

 私は自分でできることからやりたい。観点や論点を発信し、ビジネスの場でも呼び掛け、実践をし続ける。そして、19年ぶりに投票権も行使したい。7月の参議院選は必ず投票所へ足を運ぶ。

 草食時代にさよなら!サバイバル時代の突入だ。