古臭い「時代遅れ」の人材像と採用方針

 ヤンゴン事務所では、当初現地社員2名採用した。弁護士採用は見送り。正直、プロフェッショナルとして認められる候補者がほとんどいない。ミャンマーでは日本のような難関司法試験がなく、タクシーの運転手でも弁護士免許を保有できるというのはどうやら嘘ではないようだ、弁護士を面接して法律の話よりも開口一番、「私はどこそこの省庁の役人とコネがある」・・・、話にならない。

96697_2ヤンゴン事務所の新入社員と木津さんと(ヤンゴン「門道」にて)

 一般職でもビジネススキルを有して即戦力になる人材はほぼゼロに近い。ただ人間性や素地に関してはアジアの中でもトップクラスだ。中国の面接では、応募してくる人材は決まって自分はなんでも出来るという。いざ入社してみると、失敗だらけでしかも失敗は皆他人の責任だ。ミャンマー人の中では、自分はこれができる、これが出来ないと自分の弱みを素直に認める誠実な人が多く、逆に安心感を持てる。

96697_3初のヤンゴンセミナー(パークロイヤル・ヤンゴンにて)

 そういう意味で、ミャンマーは人材の宝庫といえる。いまは発掘されていない泥だらけの原石だが、きちんと磨けば輝いてくれる人材も多いだろう。これを考えて今回は敢えて無経験者の採用に踏み切った。誠実さ、ガッツ、ハングリー精神といった、少々古臭い、「時代遅れ」の要素を全面重視の採用姿勢を取った。

 採用したミャンマー人2名の中の1名は、当初から3年間まず、上海とクアラルンプールの海外勤務をさせ、その後、ミャンマー本国勤務に帰国させる。

 また自社以外では、今後日系企業の人材育成教育プログラムの開発など、ぜひ取り組みたいと前向きに検討を進めている。