2025年の参議院選挙では、多くの野党が「減税」や「無税」を強く打ち出している。
消費税ゼロ、ガソリン税ゼロ、所得税の減免など、一見すると家計にやさしい政策が並んでいる。しかし、税金というものは一度下げると、もう二度と元に戻すのが難しくなる。下げれば票が取れるが、上げれば必ず批判される。だから、選挙のたびに「下げる話」ばかりが出てくるのだ。
減税という言葉は非常に聞こえがよく、多くの人が直感的に「得をする」と感じる。実際、減税を必要としていない層ですら、それを歓迎し、支持する。こうして「一見公平に見えるが、実は逆進的」な政策となりかねない。
つまり、必要のない人にも効果が及ぶ減税よりも、必要な人に的確に届く給付のほうが、財政的にも倫理的にも合理的である。そして限られた財源を最大限に活かすには、ばらまき的な減税ではなく、的を絞った再分配が不可欠である。
現実には、国の財政はいつまでも持つわけではない。大きく税金を減らせば、将来どこかで大きなツケが回ってくる。そう考えると、税金を無理に下げるよりも、困っている人たちに必要な支援をピンポイントで届けるやり方のほうが、よほど現実的でやさしい政策と言える。
その意味では、自民党、公明党、国民民主党が掲げている「控除を増やす」「必要な人にだけ給付する」といった方法は、地に足のついた対応だ。すべての人に一律で減税するよりも、生活が苦しい人に絞って支援する方が、効率もよく、不公平感も少ない。
つまり、税金の仕組みそのものは大きく変えずに、今ある制度をうまく活用しながら、困っている人にだけ追加で手を差し伸べる。この「現実的なやり方」を取っているのが、自民・公明・国民民主である。選挙前に耳ざわりのいい減税を並べるより、選挙のあとも続けられる「責任ある支援」を考えるべきではないか。そう考えるなら、この3党の方針は十分に納得できる選択だと言える。




