寒気を感じさせる中国の酷暑、越冬の準備はできたのか

 赤道直下・摂氏31度の熱帯クアラルンプールから、摂氏41度の温帯の上海へ。この移動は、予想や感覚に反したもので、体がある種の拒絶反応を起こしてしまっている。しんどい。

 ホットな中国。経済急成長を形容する表現だったが、いざ物理的な気候を表すとなると、いかにも違和感を覚えてしまう。

 異常な酷暑よりも、怖い現象が起きている――。中国の夏の風物詩といえば、停電。昨年までは、電力不足で各企業・工場が輪番停電で悲鳴を上げていたが、今年はほとんどそれが聞かない。百数十年ぶりの歴史的酷暑で民間電力消耗が鰻登り状態である一方、工業電力需要の落ち込みは著しい。

 中国経済の低迷はこれからだ。猛暑の夏に続いてやってくるのは、厳冬である。さあ、キリギリスと蟻、越冬の準備はできているのか。