変化と不変、中馬間を行き来する感想

 1週間の中国出張を終え、クアラルンプールに帰還した。

107561_2107561b_2クアラルンプール帰還

 中国とマレーシアの間を行き来していると、ある奇妙なコントラストに気づく――。おそらく世界でもっとも変化の激しい国とあまり変化のない国ではないかと。

 悠長なスローペース、無欲さえ見られるマレーシアの社会は、富を貪欲に貪る中国との対照はあまりにも強烈すぎる。ゆえにインフレも低く、マレーシアはここ20年物価や人件費は微増にとどまり、経済急成長に伴う環境汚染などの代価も最小限に抑えつけられてきた。

 人生も社会も、基本的に収支均衡現象が共通している。得るもの、失うもの、バランスは崩れることなく一見大きな収入を手にしたかのように見えても、借入の返済は必ずしなければならなくなる。

 「変化很大」――変化が大きい。数年前までは、中国のことを誇らしげに紹介する人が多かったが、最近そういう言葉がめっきり減ったような気がする。ここ数年相変わらず変化が大きい。だが、変化の中身がすっかり変わった。負の変化が目立ってきたからだ。

 変化の裏に、不変な法則が常に生きている。そう感じたのである。変化の大きい中国と少ないマレーシア、どっちがいいどっちが悪いという次元ではない。まあ、少なくとも私自身についてマレーシアに居を移し、より平和な暮らしを求めるようになったのは一種の老化現象ではないかと感じた次第である。

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