水野氏とのGDP議論、中国経済は低迷か見解分かれる

 度重なる私の質問提示に、水野氏が丁寧に回答してくださり、深く御礼申し上げます。

 質問(2)(3)以降、水野氏の補足説明から、多重の目線を感じられ、企業にとって多面的課題の提示であっていずれも異存なく評価したいと思う。特に国際政治等経済以外の複数要素影響の折り込みについて、ご認識を示されたことは頷ける。ただ、最後に一点だけ、水野氏と異見をもつのは、GDP7.4%に対する評価である。

 水野氏がこう述べられている、「目標値7.5%に対して7.4%成長と言う事実を、『目標値に比して0.1%のビハインド』と報道すべきか、『景気減速鮮明』と報道すべきか」

 まず、「目標値に比して0.1%のビハインド」というのは事実であって、争うことはない。焦点は、「景気減速鮮明」かどうかという点である。

 まとめると、中国の7.4%のGDP伸び率に対し、ロイター等各社は「景気減速鮮明」と報じ、昨日の産経論説はさらに一歩踏み込んでいくつかの数字、ベンチマークをもって裏付け論証を行い、「事実上のゼロ成長」と見解を示している。立花としては、ロイターや産経等大方のメディアの論調や結論に賛同し、そのとおりだと認識している。

 ただ、水野氏は、上記の報道については、「誘導的」「扇情的」と評し、文脈的に、「目標値に1%未達、まずまず高い伸び率である」というご見解を持たれているようだ。

 これについてやはり、事実検証に任せるしかない。半年後または1年後、経過を確認したうえで、短中期の中間まとめとしたいと思う。なお、私と正反対の水野氏の見解を当社顧客向けの情報レポートにも掲載し、多様な観点を提示するつもりだ。

 今回の議論に丁寧に対応してくださった水野氏に重ねて御礼申し上げます。