ハラール市場で中国市場敗戦の再演か、ローカル目線の欠如が致命傷

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 11月27日(木)、「ジャパン・ハラール・エキスポ」2日目(最終日)。海外ハラールのバイヤーを中心としたパネルディスカッションが展開される。

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 総論的な賛辞に続いて、思い切って辛口のコメントが連発。数名のバイヤー代表からの意見を私なりに以下まとめてみた。

 「日本ブランド」の高い品質、清潔感と安全性、全体的なプレミアムは、特にイメージ的に消費者から高い評価を得ている。「総論的な『売れる』要素」を持ち合わせている。今回の「ハラール・エキスポ」出展されている8割の商品は、素材的に上記の要素を有している。また初回開催にしては、規模と来場者の人数、関係者の真剣な姿勢はいずれもGood!

 ただし、「マーケティング」は出来ていない。ハラール市場の消費者の目線が欠けているし、消費者の期待値に著しいギャップやミスマッチが見られる。商品はどうも日本国内仕様の転用で、ハラール市場向けの調整があまりされていない。特に紹介やストーリー性、内容や言語(英語やマレー語がない)の両面に問題がある。パッケージに関しても大きく改善する余地がある。そして、価格も高すぎる。

 要するに、「Product」の素材的な部分がOKで、「Presentation」と「Price」はNGということだ。ハラール市場に対して多くの日本企業はまだ、「ついでに売れれば」というスタンスにとどまっている。このことは、昨日や以前のブログ記事にも繰り返し言及している。

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 基本的に中国市場で喫した失敗はハラール市場で再演しようとしている。警鐘はすでに鳴らされた。