賃金条例対応と労働生産性、広州セミナーの新しい話題

 11月27日(木)夕方成田発のANA便で夜広州着。翌日28日(金)広州セミナー。

141128-155211月28日広州セミナー

 久しぶりの広州セミナー、内容は「3階建™人事制度」。ちょうど数日前、「賃金条例」が近々公布する情報が入ったばかりで、条例対応の話も盛り込んで4時間のセミナーはかなり時間的にタイトだった。

 「賃金条例」は、最低賃金以外中国初の賃金関連法規で、中国は本格的に賃上げ支援、労働者権益の保護に乗り出した。最終的に法令ベースで賃金そのものを定めることはないだろうが、集団交渉(団交)の全面的展開促進に立法の趣旨が見られる。

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 労働者からの賃金交渉要求への迅速な対応だけでなく、交渉にあたっての会社財務データの開示(利益・配分指標の開示)や、集団賃金契約の締結などなど、一連の法的義務の発生が予想される。さらに集団交渉の盛り上がりはストライキやサボタージュなどの集団労働争議の再燃にも発展しかねないので、注意深くウォッチしたい。

 賃金関連も基本的に3階建™人事制度での対応となる。2015年版3階建™人事制度に条例折込の再確認をしたうえで、来年1月にリリースし、第一弾は1月下旬の北京セミナーである。

 賃金の話になると、経営者はどうしても賃金上昇の抑制にぶれがちだが、それ以前の問題でやはり労働生産性の向上、特に一人あたりの生産性の向上に取り組むべきではないだろうか。その計測指標やマネジメント・プロセスには、管理会計が欠かせない。この辺は多くの日系企業では対応できていないのが非常に懸念されるべき現実だ。要するに中長期的に、中国事業は果たして利益を出し続けられるのかという課題だ。

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