定年逃げ切り組とこれからの厳しい世の中、驚くほど日本も中国も同じだ

 1週間の上海出張に備えて、日曜は滞在先の錦江飯店で読書、休養。時間があるので、ホテルの理容室に入って散髪。

 理容師のおばさんは嬉しそうにいう。「お客さん、実は明日は私の定年退職です。今日は最終日。あなたは最後のお客さんかもしれません。もう31年になります。この錦江飯店で働いて・・・」

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 今年は50歳の理容師。逆算すると、高卒19歳入社、一筋の終身雇用だった。「それはそれは、長い間ご苦労様でした。定年して悠々自適の生活を過ごされますね」

 いやいや大変だよ、これからの生活は少ない年金で大変だと、ため息の回答がやってくるかと思いきや、意外にも満面の笑みで、「そうなんですよ。ゆっくりと家で好きな料理に取り組めますし、悠々自適です」

 聞くと、国営系企業である程度まとまった退職金と年金が出るらしい。「なるほど、国営系で準公務員的な身分ですね。老後の心配は全く要らないのがいいですね」というと、おばさんは、「いや、お客さん、そうでもありませんよ。私のような世代はまだいいんですが、これからは大変ですよ。国営企業も利益を上げないといけませんし、余剰人員をどんどんリストラしますからね。厳しい世の中ですよ」

 中国にも、このようないわゆる「逃げ切り組」が存在するのだ。これからの現役世代は日本も中国も同じ大変だ。

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