「労働契約規範」で契約の国家標準化か、折騰に耐え抜け企業よ

 何これ。労働契約の国家標準化――。

 「折騰」(ツェテン)という中国語がある。ああでもないこうでもない。何回も何回も繰り返し痛めつけたり、苦しめたり、資源の浪費をするという意味。ぴったりそのままの日本語訳はないが、それでもこの言葉を使いたい。中国の労働法政策は、企業からみればまさに「折騰」そのものだ。

 人力資源社会保障部は2月27日付で、「『労働契約規範』国家標準意見徴収稿」を公布した。ご丁寧に労働契約までISOのような規格化をさせるのか。

 ここのところ、市場への政府や行政の介入がどんどん強まる様相から、全体的に計画経済時代のイデオロギーの復活を連想させる。批判しているわけではなく、いまの中国にとってそれ以外方法がないのかもしれない。とはいっても、企業にとってみればまさに一種の「折騰」。

 早速、「新法令『労働契約規範』国家標準案の要点と実務対応セミナー」(4月24日、上海)を企画し、開催することになった。公布に先立って企業にとって影響の大きい規範標準の要点を絞り込んで、制度設計と実務運用上のポイントを解説する予定だ。

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