上海の白タク配車アプリ市場、大混乱の様相を呈している。
1か月前に上海出張のとき書いた記事「2015年4月7日 白タクのハイヤー化、中国タクシー市場裏風景の怪異」。わずか2か月足らずの間、状況が急変した。
変化その一、いわゆる「ハイヤー」ではなくなった。当初タクシーよりワンランク、ツーランク上の車両という定義が崩れ、オンボロの大衆車も新規参入している。
変化その二、運転手の質の低下。なかにガラの悪い運転手もちらほら見かける。襟なしのTシャツで運転中にたばこを吸うやつもいる。配車アプリで示された車両ナンバーや車種と違う車が来たりすることもある。
変化その三、以前タクシーより高かった料金が今度、タクシーよりも安くなった。加盟車両の絶対数が急増している。
全民皆運ちゃん――。車さえもっていればだれでも参入できるわけだ。なかに車で普通の会社に出勤して夕方退社するとアプリオンして白タク副業スタートという人も多いらしい。
「いい迷惑です。私たちが配車アプリのハイヤーを始めた頃ちゃんとしていましたが、いつの間にかどんどん変質しました。中国ってそういう国なんだよ。なんでもお金が絡んでいると、必ず脱線して暴走します。呆れました」。昨日利用した車の古参運転手がこう嘆いていた。
といっても、タクシーは依然として捕まらない。
「安全性の問題、事故時の保険や保障、といった法制度の整備」といったことが重要なのは理解できますが、異論も少しあります。
別の記事で問題になっていた貧困層の悲壮感についてですが、アジアの他の国にない悲壮感が日本に存在するのは、貧困層が雇われの仕事にしか就けないといったことがあると思います。
中国だったら、ちょっと小銭があれば、路上で肉まん屋を始めたり、携帯電話のオプション品屋(?)や服屋、靴屋、自転車タクシーなど何でも始められ、少し成功すれば、小さなお店を開くことができます。
でも、日本では、まず「安全性の問題、事故時の保険や保障、といった法制度の整備」といったことが問題になるため、相当な資本金や経験・知識・準備がなければ何も始めることができず、裸一貫の貧困層は永遠にそこまで手が届かないのは明らかで、ただただ雇われを続けるほかありません。
安全性や保険うんぬんは消費者がその必要性を選べば良いのであって(お金がなければ、安全性は自分の経験と目で判断すれば良い)、起業側で何もかも整えなければならないというのは貧困層の自立を妨げることにつながるのではないかという考え方もあるかと思います。
なるほど、そういう観点もあっていいと思います。実務上の運用問題、クリアできないわけではないが、既得利益者層からの反発も大変なものでしょうね。
日本でもライドシェアの動きが出始めているようですし、民間タクシーの考え方自体は間違っていないように思えます。エコですしね。
https://notteco.jp
車や運ちゃんの質などに関しては、ネットモールみたいに顧客からの評価がデータ表示されるようにしておけば良いと思うので、普及度さえ十分ならば問題ないようにも見えますね。
タオバオなども、京東とかのライバルが出てきてから、天猫(髙い保証金や法人登録が必要だったかと?)などのグレードがワンランク高い区分けを作ったりしました。民間タクシー業界も混沌の状態を抜け出せば、高くても確実なサービスが受けられるタクシーのみのサイトとリスクはあるけれど安いタクシーのサイトの二つに分かれて異なる需要に応じられるのではとも考えられます。
立花先生のタクシー記事、今後も楽しみにさせて頂きます。
そうですね。あとは安全性の問題、事故時の保険や保障、といった法制度の整備も急務ですね。
ある意味、需要と供給が純粋に機能していて効率的なようにも見えますね。お金のない人は、安くて質の悪い個人(?)タクシーを使えばよし。
お金のある人は車を買うか、1日運転手をレンタするかしてください。
お金のある人は、安くて良いサービスなどは求めないで、高くて良いサービスを買ってください、ということでしょうか。
衣笠さん、なるほどですね。そういう意味の住み分けと消費者細分化もありですね。