祭りの後は寂しい、信念貫く筋金入り反安保熱血者はいずこへ

 安保法成立後、国会前が嘘のようにデモが引いて、静まり返った。

 法案成立直後の週末と週明けは連休で、デモ参加人数が急増し、規模も拡大するのではないかと正直懸念していたが、なんと呆気なく収束したのだった。何だったのだろうか、あの反安保運動。台湾や香港あたりの学生運動に比べると内容も本気度も全然違う。がっかりした。

 フェイスブック上も同じ。法案成立直前まで、反安保の投稿が多く見られたが、それもほぼ法成立とともにぴったりと止まった。学者や弁護士を含めた人たちもなぜか、一瞬にして普段の姿に戻った。

 祭りの後は、非常に不気味だ。私は安保法賛成だが、反対派の存在や、論理的な主張であればそれを尊重したい。それが流行やファッションとしての便乗ではなく、しっかりした信条や理念に基づくものであれば、そんなに簡単に放棄できるものであろうか。

 政界を見ると、日本共産党が音頭を取って早速「連合政府」構想を打ち出し、野党同士のかき集めに動き出すが、肝心な政策の提案はあいかわらず何もない。

 芯がない――。いままでの反安保運動を見てきて感じたことだ。信念を貫く筋金入りの熱血者はどこにいるのだろうか。

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