ワクチンはブースター接種より年1回で十分、ころころ変わるコロナ情報の読み方

 「ワクチンは、ブースター接種よりも年1回で十分」

 未接種者がそんなことを言ったら、陰謀論者扱いされるかもしれないが、ファイザー社長が言ったら真理になる。

 「ファイザー社のアルバート・ブーラ最高経営責任者は1月22日、コロナウイルスのパンデミックと戦うには、より頻繁なブースター接種よりも、毎年1回の定例接種が望ましいと述べた(1月22日付けロイター)。

 発表に先立ち、欧州医薬品庁(EMA)は1月11日、4か月ごとのブースター接種を繰り返すと最終的に免疫反応が低下する可能性があると指摘。各国はブースター接種の間隔をより空け、インフルエンザ予防接種戦略で示された青写真のように寒い季節の到来に合わせるべきだとの見解を示した(1月12日付けブルームバーグ)。

 さらに米カリフォルニア州とニューヨーク州の保健当局者は1月19日、コロナ感染による自然免疫がワクチン接種よって獲得した免疫よりもデルタ変異株に対する予防効果が高い可能性があると発表した。米疾病対策センター(CDC)の週報に研究データを掲載した(1月19日付けロイター)。

 要するに、インフルエンザとの共同扱いで混合ワクチン(オールインワン型ワクチン)が開発・一般市販される目途が立ったから、文脈の転換になったのだろう。その文脈は事前にある程度シナリオが描かれていたかどうか定かではないが、流れとして起承転結がきちんとできていた。

 今までのは何だったのだろうか。なんでも早い者勝ちだが、ワクチンだけは違う。世の中はそういうものだ。ワクチン接種について、人間はやっと犬猫と同じレベル、年1回になりそうだ。めでたしめでたし。

 コロナという問題は、医学、疫学、薬学、経済学、社会学、政治学、経営学、法学、心理学、倫理学といった複数の分野に及んでいる。さらに当事者自身や所属集団の利害が絡んでいる以上、ポジショントークも入ると、無数の正解(解釈)が存在している。

 だから、コロナをめぐって様々な言説や情報に対して、まずその主体(当事者・発信者)を定め、「視点」「視野」「視座」のタグを貼ってから読むようにすると、大変分かりやすい。 

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