メディアはなぜ「偏向」するのか?

 メディアはビジネスだ。

 読者や視聴者がいて、広告スポンサーがつく。だから、保守右系もリベラル左系も、結局のところ商売の原理は同じ。読者や視聴者が読みたい、見たいものを商品にするのだ。

 FaceBookでは、読みたくない記事、嫌味と捉えられる記事を投稿したら、「いいね」どころか、友達解除までされる。もし「いいね」に報奨金がつき、かつ私がそれを生業にしているのなら、投稿内容も一変する。自分の真の観点よりも、まず読み手の好みを分析し、なるべく多くのFB友に好かれるコンテンツを作り、懸命に「いいね」稼ぎに精を出すだろう。

 メディアもビジネスだ。従業員が給料を稼ぎ出し、家族を養い、家のローンだって払っている。できれば、昇給もしたいと、賞与も多めにもらいたい。まして情報が溢れる今の時代では、ビジネスや収入を維持するのも容易ではない。

 世間一般でいえば、ほとんどの人は、自分が志向(嗜好)するネタ、自分の希望的観測を裏付ける情報にしか目を向けたがらないのだ。いわゆる中立的な情報は、もっとも売れない情報である。文筆業も然り。私は副業で執筆したりもするのでわかるが、常に編集部はネット情報の閲覧傾向や書籍の売れ行き(消費者動向)を気にしながら、著者とコンテンツの調整を行っているのだ。

 読者や視聴者はみんな、自分が世界の中心に立つ正義だと思っているから、たびたび自分の基準(ニーズ)に合わない情報記事のことを「偏向」扱いする。哲学者ニーチェがいう。「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである」。解釈に相違があるのは当たり前だ。

 故に、メディアのいわゆる「偏向」とは、市場(客層)の需要に根ざしている。メディアの「偏向」は、至極当然。マーケティング用語でいえば、「差別化」。それだけの話だ。

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