インドネシアよ、11か月分の綺麗な空気ありがとう

 クアラルンプールを含む西マレーシアとシンガポールは、ここ1ヶ月以上深刻なヘイズ(煙害)を蒙っている。学校の休校も相次ぎ、健康への悪影響が甚だしい。原因は、インドネシアのスマトラ島などの違法野焼きである。これに対しもちろん、マレーシアとシンガポールはインドネシア政府に抗議している。だが・・・。

 「彼ら(マレーシアやシンガポール)は年間11か月も、インドネシアから流れてくる綺麗な空気を享受しながらも、インドネシアに感謝したことが一度もない。たかが1か月のヘイズだけで何を怒るんだ」

 インドネシアのユスフ・カラ副大統領が、馬星両国の抗議に対しこう応酬した(「ジャカルタグローブ」記事)。被害者が被害を受けないことで、加害者が加害活動を行わなかったことに感謝しなければならない。世の中、このような道理が存在するのだろうか。どんなことがあろうと、国際政治どころか人間の基本的倫理から逸脱した非常識な発言としか言いようがない。

 年々深刻化するマレーシアのヘイズ問題。これは今後移住を志す日本人にとって、間違いなく一つのマイナス要素となるだろう。