中国にやってくる日本人、現代版上海バンスキングの終幕?

 日曜日午後14時過ぎ、マレーシア航空で上海浦東に到着。日本や欧州、中東、東南アジア、香港からの便が集中到着したせいか、入国審査場は長蛇の列。急いでも仕方がないので、ゆっくり並んでマンウォッチング。

 目に付くのが数グループの日本人。外見や会話の内容から勝手に判断すると、観光客でもない企業駐在員でもない、「その他のビジネスパーソン」だったようだ。中に並びながら入国カードを書いている人がいる。それが記入の仕方がまったく分からないようで人に聞きながら悪戦苦闘すること10分以上かかってようやく出来上がった。

 解けない疑問がある――。

 入国カードは通常飛行機のなかで配られるので、機内でゆっくり書けばよかったのではないか。旅行ガイドブックには必ず記入サンプルが載っているので、それを真似して書けばよかったのではないか。さらに言わせてもらうと、入国カード記入欄の中国語と英語も理解できないのなら、この先の仕事は大丈夫だろうかと、私が余計な心配をしてしまう。

 中国にやってくる日本人は、時代の変遷とともに変わってきたような気がする。90年代から21世紀初頭までは、企業駐在員以外の日本人で、いわゆる筋金入りの「中国屋」が多かった。ところが、ここ10年に大きな変化があった。「非中国屋」の日本人がどんどん中国にやってきた。言語能力もサバイバル力も乏しい「中国ファッション屋」が増えた。世の中は中国、中国というので、日本でもいい事がないから流行に便乗してやってくる。

 企業駐在員のなかにもダメな日本人がいるが、良くも悪くも会社に守られているから、本人の死活問題にはならない。しかし、非企業駐在員の「その他のビジネスパーソン」は違う。中国で食べていけないことが分かった時、それは大変なことになる。大人しく日本に帰って行くのがまだしも、詐欺など悪の道に走り出す人もいる。

 現代版「上海バンスキング」を見ているような気がしてならない。さあ、どんなフィナーレになるのだろうか。

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