狡猾老獪な国際政治プレイヤーとは?東北アジアは混迷深まる

 大晦日。南シナ海を除く平和な東南アジアに比べると、北東アジアは騒々しい。2日前のブログ記事に予想したとおり、日韓合意の問題は早い段階で大混乱の状態に陥った。

 今回の慰安婦日韓合意。アメリカが仲介し、国際社会が証人となるから、韓国はもう蒸し返しできないだろうという論を、私が批判している理由をいう。

 アメリカや国際社会が制御できるのは、政府であって、民ではない。その点に関しては韓国よりも中国のほうが信用されるべきであろう。それは政府の国民管理力がはるかに韓国を上回っているからだ。

 韓国の場合、そうはいかない。朴政権の対日「妥協」は国内世論の一部を炎上させ、激化させる。慰安婦といっても歴史的蓄積があって複雑な利権も絡んでいる。ある意味で利益集団の存在と増大は慰安婦問題を「産業化」させてしまっている。そういう部分もある。さらに、今回の朴大統領の「虚」を狙い撃ちする輩にとっては、国際社会における韓国という国家の信用失墜危機の回避よりも個益の優先が妥当する。

 交渉の相手が「韓国」といっても、韓国の「誰」かが問題であって、安倍政権はこの点を見誤っている。

 日本企業の経営も、日本国の運営も、基本的に性善説信奉の正攻法に特化している。狡猾さを悪と分類した時点で、昨今の世界、タフな時代を生き抜くことができない。何度血だらけになっても学習できないのは、やはり遺伝子的な思考回路の構造に起因するものであろう。

 狡猾さを悪と分類し、排斥するのは、狡猾さの遺伝子を持ち合わせていないからだ、そうなのかもしれない。日韓交渉の一部始終を見ても、真に誠実であった。外務大臣は「交渉学」を勉強したことがあるのかと疑いたくなる。申し訳ないが、あまりにもレベルが低い。

 合意後、一部の論者は「国際世論の監督と牽制があれば、韓国は今度こそ約束を守ってくれるだろう」なんてのんきなことを言っている。純粋な乙女のような夢の世界に生きている。利益の最終的かつ最大単位である国益、そして国益の名を掲げる老獪な政治家、貪欲なスーパーパワーを相手に清々しい純潔さが往々にして翻弄、蹂躙される対象となる。いざ被害者になった時点で殉教的な正論を主張しても、被害者という結果は何ら変わりもない。

 2016年は日本、そして日本人にとってどんな一年になろうか。どうぞ、皆さんは良きお年をお迎えください。

タグ:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です。