ポンコツも颯爽と走る国、カーライフよりもライフのためのカー

 マレーシアの街を多くのポンコツ車が走っている。日本ではとっくに20年前に廃車されたような、老朽化した中古車が颯爽と走っている。

 マレーシア工業開発銀行(MIDF)のデータによると、マレーシア国内の自動車保有総台数は1153万台。そのうち10年以上の中古車が49%、15年以上が29.3%、20年以上が15.7%を占めている。20年以上のポンコツ中古の180万台は、なんとマレーシア全国の年間自動車販売台数の2.7倍に相当する。

 なるほど納得。だからマレーシアでは、どんな中古車でも結構なお値段で取引されているわけだ。車は走る道具だ。走ってくれれば年式なんて関係ない。

 車体につく傷も気にしない。日本だったらとっくに修理に出して板金をするような傷が車体に何個ついても、なんのその平気で走る。私はタイヤ・アルミホイールについた小さな傷の修理を頼むと、「こんなの傷じゃない。車は走るもんだから、必ずあれこれ当たります。大きな傷になったらまとめて直しましょう」と笑われた。

 なんという大らかさ。日本人は5年や10年で車を買い替えたり、まだまだ乗れる車を廃車したりするのがいかに非常識であるか、ここマレーシアに来てそう思った。いや、まずい。自動車関連の顧客に怒られてしまうので、この話はこれくらいにしておこう。

 ちなみに、我が家も妻が日常の買出しに使っているのはトヨタの2003年型中古車、走行19万キロ。もちろん問題なく元気に走っている。

コメント: ポンコツも颯爽と走る国、カーライフよりもライフのためのカー

  1. そうですね。その土地土地の基準で考えることができれば、些細なことで目くじらを立てて怒ることもないです。

    しかし、インドやマレーシアでそれができる人が、なぜか中国ではそれができません。なぜだか、日本との比較でしかとらえられません。

    他国では手づかみでご飯を食べようと、列車の屋根に客が乗っていようと、「まあ、そんなものだね。むしろ、ストレスなくて自然かも」と受け入れられる人が、中国では箸を置く向きから、列車の乗り降りの順番にまで不合格を出します。

    それだけ中国への期待が大きいということなのでしょうか。誠に不思議な現象です。

    1.  中古車の使用と、列車屋根乗車、手づかみの食事・・・。類比するには少々難しいのではないかと。

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