パースの夏(9)~酒なき居酒屋の不思議、BYOの商売損得

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 派手な肉食の連続では少々つらい。体が正直に和食を欲するシグナルを出してくれると、素直にそれに従うしかない。ヘイ・ストリートから細い路地に入ったところに、目立たない和食屋「純」がある。

 BYOの店なので、白と赤のワインを1本ずつ持ちこむ。まず、白ワインとともに地産のマグロ赤身、サーモンと平政の刺身を注文。いずれも素材が悪くない。合格点だ。ただシャルドネの白もいいが、やはり冷酒がほしい・・・。

 そして赤ワインの栓を抜いたときに、焼鳥がやってくる。これもなかなか美味しい。赤ワインとの相性もよろしく、完全燃焼だ。

 BYOというアルコール持ち込み制度は、オーストラリアの飲食業でかなり普及している。店によって1本につき5豪ドル程度の持ち込み料を取っているが、その代わりグラスや氷、ワインクーラーなどを用意しなければならない。その分コストもかかってくるだろう。その辺の商売上の損得計算は複雑だ。

 特に居酒屋系の和食店の場合。居酒屋といいながら、なんと酒は持ち込みだと、さぞかし日本では考えられないことだ。ちゃんと適正利益が確保されていればいいのだが・・・。

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