エルサレム風雲、米追随せず日本に千載一遇の好機

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 イスラエルのネタニヤフ首相は7日、トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と正式に認定したことを受け、多くの国が米国に追随するとの考えを示した(12月7日付ロイター)。

 昨日もすでに書いたとおり。早速も予想通りの展開。米国大使館のエルサレム移転には、必ず追随国が出、影響が広がる。これに対しパレスチナ側は反発し、そのうち派手なテロも出るだろう。犠牲者は可哀相だが、トランプ氏はむしろ見越しているだろう。冷酷な言い方だと、政治的に必要な犠牲と考えられているのかもしれない。

 テロは必ず非難される。場合によってはパレスチナは苦しい立場に立たされることもあるだろう。一方では世の中、既成事実ほど大切なものはない。時間が経てば経つほど、イスラエルにとって有利だろう。

 イスラエルとパレスチナの交渉は、今のままだとあと百年やっても妥結しない。なら、既成事実の早期構築。結実できない交渉は、交渉しない。これはある種の合理性に裏付けられる。

 ただ、今回の場合、日本は早い段階での米国追随はやめるべき。テルアビブに日本大使館を残し、中東問題に関して全面的仲介役を買って出るのだ。宗教面の中立性をもつ日本にとって、千載一遇の好機の到来、日本の国益になる話だ。

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