南部アフリカ紀行(13)~標準化は最悪だ!最高のサファリガイドと旅行会社

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 5月10日(木)、エトーシャから首都ウィントフックへ帰還。8日間のナミビアの旅はいよいよ最終日を迎える。感謝を込めて、ガイドのセブンさんご夫妻を夕食に招待したいと申し出たら、すぐに快諾。

 ウィントフック市内のアフリカ料理店で、ナミビア名物料理のオシワンボーチミン(Oshiwambo Chicken)を囲んでアフリカ話で盛り上がった。

 セブンさんの所属する「ワイルド・ウィンド・サファリ(Wild Wind Safari)」というサファリ旅行会社との出会いといえば、ちょっと話が長くなる。

 今回のナミビア・南部アフリカ旅行は企画を含めると、9か月前の昨夏に遡る。当初は「○○○歩き方」に掲載されていた現地在住の日本人ガイドに連絡を取ったところ、私の旅行期間はあいにく不在だったため、断念。そこでその日本人ガイドから紹介された現地の旅行会社A社にコンタクトを取る。

 A社は丁寧に対応はしてくれたが、どうしても日程や内容が合わず、そして何よりも予算が大幅オーバーのため、これも断念。その後、数社とやりとりをしながらも、やはり上記同様の原因で成約に至らなかった。

 そのときに出合えたのは、ワイルド・ウィンド社だった。数社に見積り要求を出したところ、最速に回答し丁寧に助言してくれたのは社長のフィリップ氏。出発までにやりとりのメールは数十通に上るが、いずれも土日に関係なく12時間以内に回答をしてくれた。

 私はかなり我がままで、旅行中の食事の場所や内容といったディテールまで細かくリクエストし、まさかここまでデマンディングだったら無理だろうなあと、駄目元で言ってみたら何と「喜んでその通りさせていただきます」との回答。さすがにびっくり。おそらく日本の大手旅行会社ではできない対応だろう。

 セブンさんと食事をしながら、私は経営コンサルタント根性丸出しでワイルド・ウィンド社のことを根掘り葉掘り尋ねてみた。なんと社員6名しかないというミニ会社だった。案の定、社長のフィリップ氏はガイド出身。会社の趣旨は、「標準化は最悪だ。柔軟性がすべて。お客様のリクエストはとにかくできる限り何でも受け入れる」

 結果的に、ツアーなどは標準版なしという世界だ。一応の参考モデルがあっても、あとはカスタマイズして客の要望をどんどん取り入れて、独自の旅行に仕上げていくのである。それにしても、そんな安い値段で採算が取れるのかと聞くと、「当社が特別に安いのでなく、他社は高すぎるのです」とセブンさんが笑う。なるほど、サファリも暴利業界なのか・・・。

 ナミビアでの1週間。たくさん見た。たくさん聞いた。たくさん楽しんだ。そしてたくさん学んだ。本当にありがとう。セブンさん、フィリップ社長。

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