イポー食い倒れ日記(3)~明閣の朝が旨い、点心食べ比べ

<前回>

 文脈の一貫性と整合性の観点から、日記風の時系列スタイルを破って、第1ラウンドの「富山茶楼」から第3ラウンドの「明閣」に一旦飛躍して、またのちほど第2ラウンドに戻ることにする。

 一夜明けての9月14日(金)早朝、朝靄に霞むイポーの山々が美しい。切り立った石灰岩の山のせいか、どことなく中国の桂林に似たような水墨画的な風景はいかにもチャイナチックであろう。であれば、早朝からの飲茶が流儀だ。

 これもホテルから徒歩3分の場所にある「明閣香港点心」(Ming Court Hong Kong Dim Sum)。永遠のライバルといっていいだろうか、あの名門点心「富山茶楼」のなんと真ん前に堂々と鎮座する。といいたいところだが、店構えが堂々としているのは「富山」のほうだった。

 「明閣」の場合、路面店で奥行きはあるが、見てくれが悪いというか、とにかくしょぼい。朝7時半、すでに満席。しかたなく相席で我慢。といってもさっと食べて仕事に行く人が多く、客の交替が早い。

 早速食べてみる。まずは焼売(シュウマイ)の食べ比べ。昨日「富山」の焼売が大きくて見栄えが良かった。「明閣」の焼売は小ぶりで見栄えが悪い。しかし、味となると、断然「明閣」のほうが上。(写真:上「富山」、下「明閣」)

 1つの蒸篭には「富山」は大の2個入り、「明閣」は小の4個入り。製作の手間とコストを考えると、「明閣」のほうがかかっている。焼売は小さいほうが旨いのだ。理由?私に聞かないで、一度食べてみてほしい。

 食べ物って、写真だけで判断してはいけない。見栄えがよければ、それで美味しいとは限らない。最近、誰もが食べ物の写真をブログやフェイスブックにアップする時代なので、店によってはかなり食べ物の見栄えに気を使っている場面がある。

 ついでに言うと、雑誌の取材などプロのカメラマンが撮影する場合、素材を美しく見せるために、半熟やほぼ生状態で盛り付けることも珍しくない。絶対に写真に騙されてはいけない。あくまでも自分の舌を信じることだ。

 「明閣」の点心、私の感覚では全般的に「富山」をはるかに上回っている。見栄えが悪いが、旨い。食べることに専念したい食通には無論、「明閣」を推奨する。

 サービス面では、「富山」は店構えに見合う上等なサービスがあるかというと、ない。ほぼ「明閣」と変わらない。お茶のお湯足しくらいかな、「明閣」はセルフサービスになっている。それだけ。

 それにしても、「明閣」のおばさんたちは結構有能である。着席したばかりの客には焼売やら餃子やらお腹にたまる品をもってくるが、後半になると、お粥やデザートを薦めてくる。客を動態的に観察し、適切に対応しているのだ。

 補足すると、「富山」はある意味で外来の観光客向けであるのに対して、「明閣」は地元の客でいっぱい。朝から満腹満足。ご馳走様でした。

<次回>

コメント: イポー食い倒れ日記(3)~明閣の朝が旨い、点心食べ比べ

    1. この疑問を解くために、2つの店ができた時期と運営の歴史を調べないとダメですね。香港店がパクってミシュランを取ったという論理もあり得る。とはいっても、消費者(少なくとも私という消費者)にとってみれば、これはさほど重要なことではない。安くて美味しいほうが一番いい。ミシュランだろうと、パクリだろうと。。。

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