みはらし荘の食はなかなか悪くない。季節最後の海胆もありがたいが、何よりもこの宿はアワビ料理が看板のようだ。
当日の宿泊は、あと香港人の1組だけ。アワビといったら、香港人のウケが抜群に良い。広東料理の場合、アワビが高級食材で、少なくとも日常食ではない。
ところが、香港人客がどのようにして「辺鄙な地方」のこの小さな宿にたどり着いたのか。興味があってご主人に聞いてみると、英語や中国語ができるわけでもなければ、特に外国人客を意識して宣伝しているわけでもない。なぜか、香港人やマレーシア華人系の客が多い。
謎である。