中国市場ではなく中国人市場だ、ビッグマネーはどこへ行く?

 中国のぜいたく品市場が急激に萎縮している。英エコノミスト誌が12月9日付の記事で現状を生々しく伝えている。

 中国の金持ちが貧しくなったわけではない。金があっても使えない状況だ。中国のぜいたく品市場ほど政治にリンクされているものはない。汚職や腐敗の取り締まりが厳しくなるなか、派手な散財は命取りになる。

 それにしても、大きな市場は存在している。ぜいたく品市場の専門研究機関財富品質研究院が今年発表した「中国ぜいたく品報告」によると、昨年2014年には世界のぜいたく品の46%を中国人が購入しているという。さらに、昨年は中国人消費者の自国内での消費額が11%も減少する一方、海外でのぜいたく品消費額は810億ドルで中国人のぜいたく品消費の約76%が海外で行われており、なおこの割合は上昇を続けていると説明されている。

 「中国市場ではない。中国人市場だ」。――私が繰り返し言っている持論だ。「市場」は、属人であり、属地ではない。そこから、「爆買い」が年度流行語になるほどインバウンドが加熱化し、あたかもそれが「中国人市場」であるかのような印象を与えたが、それはただの傍流に過ぎない。

 さて、桁違いの「主流チャイニーズ・マネー」はどこを目指しているのだろうか。そのマネーを引き付ける力を持っているのはまた誰であろうか。ビッグ中のスーパービッグを狙うものたちは決して「爆買い」に浮かれるような輩ではない・・・。

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