お隣同士の韓国も中国撤退か、いろんな関係が絡む国際政治は複雑

 中国からの撤退。日系だけではない。2月28日付中国経営報は、「韓国企業は山東省から年間500社規模で撤退している」と報じている。

 中国の経済紙等各メディアでは、「2015年は中国製造業の大凋落、倒産・リストラのピークに達する」といった記事も最近目立つようになった。ずいぶん過激な表現が公然となされていることに少々驚く。実態はかなり悪かろう。

 さすがに最近中国経済の好調を謳歌する専門家や識者がめっきり減ってしまったようだが、代わりに中国人観光客は日本に殺到して電気炊飯器や便座、そして日本米まで大量購入している。

 昔から私が言っていたことだが、「中国市場ではない。中国人市場だ」。ついにそれが真実になった。この市場は何も中国という国土に制限されているわけではない。世界中に広がり、高度の流動性を有している。したがって日本の対中ビジネスもボーダーレス化していくだろうし、しなければならない。

 中国経済の変調にともない、蜜月時代だった韓中関係も微妙に変化を見せ始めている。もちろん、米韓関係や中朝関係といった外部要素の影響も大きいだろう。

 政治や外交はさておき、経済に限って言えば状況はもっとシンプルだ。相変わらず仲の悪い日本と韓国は、共通の投資先である中国ではむしろ同病相憐れむ同志だ。

 そんな韓国には久しぶりに行くことになり、今夜クアラルンプール発のエアアジア便でソウルへ向かう。

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