それでもパンフレットお好きですか?印刷会社を潰すな!

<前回>

 日本の街頭を歩いていると、とにかく目につくは、パンフレット。特に旅行商品のパンフレット、カラフルで美しい。諸外国のどこへ行っても、こんなにパンフレットが置かれている街は、見たことがない。

 コンテンツの作成・編集、写真撮影、デザイン、印刷、運搬、在庫管理、配布、廃棄……。パンフレットには大きなコストがかかっている。何よりも大量の紙を使い、資源の破壊につながり、ペーパーレスという時代の流れに逆行する。

 一方では、これだけのコストをかけて、リターンはどうであろうか。旅行商品のパンフレットを例にしよう。パンフレット経由のツアー申込みは何割を占めているのか。あるいはパンフレット制作・印刷・管理コスト対売上・収益の比較、パンフレットの廃棄率といった評価を旅行会社が行っているのだろうか。

 会社案内パンフレットなら、短期間に情報の変化がなければ、利用率がまだ高いが、旅行商品は時限付きなので、在庫が残れば廃棄するしかない。パンフレットをやめて、そのコストを消費者に還元して旅行代金を安くすれば、消費者も喜ぶことだろう。なぜそうしないのか。

 会社案内パンフレットでももったいない。数年前、某大手企業と取引を始めるにあたって、当社の会社案内パンフレットの提出を求めてきた。当社はパンフレットを用意していない。会社案内掲載ホームページのURLを提出したら、それはダメで、必ず印刷物のパンフレットが必要だと。もう、結構です。この会社とは取引をしないほうがよさそうだ。

 そもそも、今の時代に本当にパンフレットたるものを必要とする業種や商品とは何であろう。わずかに限られた一部に過ぎないのではないか。

 もっと、馬鹿なシステムが日本に存在する。「パンフレット取り寄せ」、つまり資料請求システムだ。専用のはがきに記入してそれを投函する。業者からは折り返し、またご親切に郵送でパンフレット資料一式が送られてくる。前近代的というよりも、想像を絶する次元だ。

 パンフレットをやめたら、どうなるか。それは一大事。日本中の印刷会社の何割か、特にパンフレット印刷を主業務とする印刷会社は倒産までいかなくとも大変なことになる。リストラで従業員のクビを切らなければならなくなる。人の仕事を奪う。そういうひどいことをやっていいのか。だから、パンフレットを印刷し続けるのだ。

 雇用を維持するために、仕事を維持する。仕事を維持するために、生産性云々という議論はタブー。日本の社会や企業がそれでもつなら、これからも続ければいい……。

<終わり>

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