台湾人が日本を貶めているのか?騙されてはいけない

 「台湾人や台湾メディアが日本を貶めている」

 最近、一部のいわゆる保守右翼の人たちが、従来親日的とされてきた台湾に対して攻撃を始めた。新型コロナウイルスの対応において、安倍政権は明らかな判断ミスを繰り返し、初動遅れと不作為で後手に回り、失策の醜態を世界に見せつけた。何も台湾に限った話ではない。欧米系メディアからも批判が噴出している。

 言っておくが、これは安倍政権に対する批判であって、日本という国を貶めるものではない。むしろ、親日国家台湾の日本に対する期待や好感が安倍政権の失策によって毀損されたのである。台湾のメディアや国民のコメントをみても、まさに「がっかり」という失望を通り越して、憤りすら覚え、その感情の表出にほかならない。

 彼たちは日本大好き、貶めるどころか、日本を尊敬しているからこそ、このような失望と憤慨の気持ちに陥ったのである。もしそれが日本を貶めるというのなら、その一次元凶はまさに安倍自民党政権ではないだろうか。

 安倍自民党政権に対する批判を、日本国を貶めることにすり替えることは、中共が使ってきた手口である――国家や国民と党派の意図的な混同。中国や中国人と中共とはまったく別ものであるように、日本や日本人と安倍自民党政権ともまったく別物だ。一部、安倍だけを支援するというファンクラブや利益集団は、真の日本の国益を無視し、レッテル張りで問題をすり替えている。この本質を看過してはならない。

 今回の疫病対策をみても、台湾の蔡英文政権が日本政府より数段上のパフォーマンスを見せてくれている。この差を素直に認め、日本の問題を正視し、腐った部分をえぐり出し、治療していくこそが日本の出口であり、尊敬を取り戻す唯一の道ではないだろうか。

 友人の直言諌言、時には耳が痛い。そこで耳を塞ぎ、逆切れして相手を糾弾する。甚だ非常識であり、品格が疑われる。中国依存から脱却しようと痛みに堪えながらも、一歩二歩と踏み出した台湾。片方は中国依存にどっぷり浸かって、中共への忖度に余念のない安倍政権。その対比はあまりにも鮮烈ではないか。どう比べても台湾が上にいるように見えてならない。

 私の目が悪いだろうか。

タグ: