私をクビにした部下、愚直者木津英隆さん

 ロイター通信社(香港駐在)時代の後輩、木津英隆さんもブログを立ち上げました。⇒香港FA木津英隆の金融論

 彼との出会いは、非常にドラマチックなものもありました。簡単な経緯は、2009年03月01日『旧交を温める、サラリーマンは反骨精神か忍耐力か?』に書いてあります。

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 私が香港で彼を採用したのは、上司として少し、仕事を楽にしようという「不純」な意図もありました。結果的に、若くて有能で、バリバリ仕事をしてガンガン業績を上げた彼の方に白羽の矢が立った。会社は、木津さんを香港に残し、人件費の高い私を見事に東京へ帰任させました。やっぱり、世の中、楽にしようと考えちゃダメですね。努力を怠ったら・・・会社がやったことはすべて正しかった!

 「私は、木津さんでクビになりました」と、いつも、彼に冗談半分で言っています。

 私を「クビ」にした木津さんは、後ロイターを辞めて、一旦日本に戻ってはやはり海外への思いを諦められず、再び香港に舞い戻って、今、金融FAの仕事をしています。

 先日、上海などの本土にも仕事を展開したいという相談で、上海へ二度もやってきました。面白い発見がありました。彼が出張経費の領収書をもらっていないことを見て、「領収書忘れてるぞ」と言うと、「・・・実は、自費出張で来ました」と打ち明けてくれました。

 「えっ?自費出張?飛行機もホテルも?」、信じられません。

 「市場打開に何ら見通しもまだ立っていませんから、会社から経費をもらうわけにはいきません。見返りは、実績を出してから考えます・・・」と木津さんでした。

 じゃ、失敗したら?・・・

 いまどき珍しい愚直物、彼には職人的な芯がしっかり通っているのですね。

 私は、コンサルタントです。常に中立的な立場で、いくら親友でも、あなたにはお客様の紹介は一切しませんよと、彼に冷たく言いました。

 「私は、立花さんから勉強して、商売はちゃんと自分でやります!」と木津さんの目が正直でした。

 コンサルタント同様、金融商品も、形が見えないだけに、いかに誠実な自分を売り込むかですね。きっと、彼はできると、私は密かに信じている。

 香港の話を色々としてくれるようで、ブログだけは、先輩として推薦しておきます。新人ブロガー、香港在住・木津英隆さんです。⇒香港FA木津英隆の金融論 ・・・「論?」題名はちょっと固めで、愚直者木津さんらしい、内容は結構ソフトですよ(笑)