中国製ワクチンが効かないから、いいのだ

 中国製のワクチンが効かないから、いいのだ。

 南米チリは6月10日、首都サンティアゴ全域のロックダウン入りを発表した。チリは人口の半分以上がコロナワクチンを接種しているが、感染が止まらず、医療崩壊の危機に瀕している。

 チリのワクチン接種率は世界屈指だ。6月現在のデータだが、少なくとも1回の接種を受けた人は約75%、完全に接種を終えた人は58%近くに上る。ワクチンの4分の3は中国の科興(シノバック)製。チリの保健省は早くも4月、中国製ワクチンによる発症回避率は67%であると発表した。

 欧米系のワクチンは一般に有効率が90%とされているのに対して、中国製ワクチンの有効率がはるかに低いのだ。素人的な言い方だと、中国製ワクチンが弱いということになる。さらにいうと、有効性が弱いから、副作用も弱い。

 実験室流出説が再燃するなか、中国はコロナウイルスの発源地だけに、ウイルスを知り尽くした上での意図的な「弱い」(有効性が相対的に低い)ワクチン開発ではないか、という仮説が存在してもおかしくない。

 台湾も国産ワクチンが弱いようだ。台湾は中国から何らかの情報を入手した上で開発したという仮説もあっていいと思わないか?ただ、それは言えない。それが台湾が輸入ワクチンに興味を示さず、国産に執着した理由なのかもしれない。

 欧米系ワクチンは「強い」(有効性が高い)だけに、接種直後の副反応や中長期的副作用もつきまとうと、そのリスクをもしや中国が知っていた?仮説に基づいた遡及的推理になってしまうのだが。

 繰り返してきたように、ワクチンには基本的に、短期的有効性中長期的無害性という2つの側面がある(参照:『ワクチンは安全か危険か?』)。もし、有効性と無害性が相反する関係にあるならば、どこかで妥協点を見つけ出さなければならない。つまり、有効性を落とし、(有害に至らぬ必要最小限以上の)無害性を確保する最適ポイント。

 その妥協点が有効性6割程度に設定された場合、ワクチンの疫病遮断効果が欧米系に比べて相当弱く、単一ワクチンで集団免疫の達成すら危うくなる。結果的に、マイルドなワクチン緩やかな社会的防衛措置併行が出口になる。

 こういう陰陽調和のようなアジア的感覚、欧米人は持ち得ないだろう。そこでワクチンさえ打てば、どんちゃん騒ぎでもなんでも問題なしという感覚でやれば、チリのような状況に陥る。一方、中国は6月8日現在、ワクチンの国内の接種回数が、延べ8億回に達したものの、国内の管理体制を少しも緩める気配はない。

 今後、コロナウイルスの更なる変異によって、もしやワクチン接種が定期的常態化になるかもしれない。そうなった場合、ワクチンを含む「コロナ産業」が興隆し、新たな利益源になる。さらに全国民のデータモニタリングが実現できて統治基盤の増強に資するところが大きい。まさに一石二鳥。

 ワクチンの有効性と無害性のバランス。残念ながら、誰も言及していない。私の妄想かもしれないが、逆説的な仮説・推論である。

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