最悪の事態も、マレーシア政府はコロナ悪化を警告

 私の予想通り、マレーシアのコロナ感染が再度拡大・悪化している。今朝の華字紙南洋商報は、「最悪の事態に備えて」と題した記事を掲載し、政府の警告を伝えた。

 ここ1週間、11月7日から14日までのR0(基本再生産数)は、0.92、0.94、0.96、0.99、1.00、1.04、1.05へと上昇し続けている。R0とは、全く免疫を持たない集団の中で、1人の感染者が平均して何名の二次感染者を発生させるかを推定した値である。R0が1を超えると、1人の感染者が1人以上の二次感染者を生み出したことになり、 感染拡大が持続していることを意味する。

 感染拡大は分かっているが、もっと大きな問題がある。上記のとおり、R0という指標は、「全く免疫を持たない集団」を対象としている。しかしながら、現時のマレーシアは、ワクチン完全接種率が77%(11月15日現在、以下同)と世界でも高水準。特に首都圏ではすでに完全接種率が91%を超えている。成人の完全接種率となれば、もっと高く95%を超えている。

 ブレークスルー感染が止まらない。「予防接種」というが、接種が予防になっていないことが明らかだ。しかし、多くの接種者は、国から多くの行動の自由を与えられているだけに、免疫を得たと勘違いしている。このままいけば、たとえ接種率が100%になっても、感染拡大は止まらないわけだ。

 どこの政府も似ているが、ワクチン接種を促すために接種者により多くの行動の自由を与えてきた。しかし、そのインセンティブが錯覚を惹起してしまっている。経済が回復を迎えているように煽り、国民を油断させてしまったメディアも責任の一端を担うべきだろう。

 マレーシアの場合、一部の地域では、病床逼迫もじわじわと進んでいる。最悪の事態を迎え、国家が再度ロックダウンになれば、挙国絶望に陥るだろう。ワクチンという手はもう尽くした。なす術がない。大変、残念に思う。

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