上海空港の「流量管制」による遅延の謎

 10月29日朝、1泊2日の北京出張に出かける。

 8:00 虹橋空港到着。チェックインを済ませると、ラウンジで軽い朝食。ラウンジは、基本的に飲み物だけだが、気が付いたら、カップラーメンも置いてあった。あれっ、手に取ってみると、カップめんじゃなくて、インスタント粥だった。

 早速食べてみる。野菜粥だが、なぜか油っぽい。まあ、ただで食べられるものには、文句を言わない。

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28604b_2虹橋空港ラウンジでインスタント粥の朝食

 9:30 定刻になっても、飛行機が一向に動き出す気配がない。案の定、「虹橋空港の『流量管制』のため、出発が遅れる」とのアナウンスが入る(結局、30分遅延の10時出発となった)。

 いま、上海と北京の間には、「京滬空中快線」、いわゆる「シャトル・エクスプレス」が運航している。専用チェックインカウンター、専用セキュリティーチェック・・・など一応配慮されているようだが、チェックインもセキュリティーチェックも、それぞれ平均10分~20分の待ち、それに、出発便の「流量管制」による遅延も常態化しているため、何も「エクスプレス」などにはなっていない。

 「流量管制(リューリァングアンズー)」という言葉、中国出張の多いビジネスマンで、知らない人はいないだろう。特にここ数年、上海の虹橋、浦東両空港をはじめ、主要エアポートで「流量管制」によるフライトの遅延が頻発している。

 「流量管制」の発生原因は、主に以下の4つだそうだ。

 ① 悪天候に起因した航空機通過空域の制限(航空機の通過高度や区域が狭くなったり、航空機の機間距離が広げられたりするため)による混雑
 ② 航空機の運航便数の増加による混雑
 ③ 航空誘導施設などの故障等
 ④ 空軍の軍事演習や要人専用機の通過などによる

 上記①~④は、いずれも偶発的なものである。「流量管制」の常態化は、空港自身の発着負荷上限を超えたものか、管制や運航オペレーション上の不手際としか考えられないだろう。最近、堂々と「流量管制」を立派な理由にして、フライトの遅延を正当化する航空会社や空港の姿勢を見ると、呆れるばかりだ。

 メジャー国際都市を目指す上海の門戸である両空港の遅延常態化は、決して座視できるものではない。当局には重い腰を上げて、早急な問題解決に乗り出してほしいものだ。