片手の出張

 右手が基本的に使えない出張は辛い(捻挫と腱鞘炎の合併症のようだ)。

 飛行機の中、大男で荷物を客室乗務員に棚に入れてもらうのが実に見苦しい。食事も、箸が使えずフォークに頼らざるを得ない。朝はいつもより30分早く起きて、身支度に時間がかかる。顧客先にいくと、つらそうなので、カバンまで持ってくれて、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 2日ほど不自由な生活を続けると、意外な発見があった。気がついたら、左手がとても器用に動くようになった。左手も鍛えればずいぶん器用になるものだ。いつも、利き手の右手ががんばってくれているから、左手の機能が衰弱しているのだ。

 ふと人事現場を思い出すと、上司は利き手になっていないか。部下の出番を奪ってしまうと、部下はいつまでも育たない。

 利き手には、たまに休んでもらうことはとっても重要なのだ。

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