マレーシア移住(16)~海外移住、候補国の選定・検証が欠かせない

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 中国事業が順調に伸びているものの、私は生涯この国に住むつもりはない。ビジネスにはいいが、住むのに適していると思えなかったからだ。ひと段落したら、「職住分離」ということで日本帰国も選択肢に含めて、他国へ移住しようと決め、早い段階から候補国の選定に取り組んだ。

 欧米では、スペインやポルトガル、カナダ、ハワイ、オーストラリア、ニュージーランド等を視察したが、まず消去法的に第一陣としてリストから落とした。コスパがそれほど良くないし、アジアとの時差の問題、食生活の問題もある。何よりも黄色人種として、私は白人の世界にやはり住みたくない。言葉の問題ではなく、差別や隔たりを感じずにいられない。阿吽の呼吸が通じない。

ハワイ・ラナイ島視察中

 アジアにフォーカスする。まず、台湾。中国語のできる私には好都合だが、ただ自然災害が多く、何よりも戦争のリスクが払拭できない。シンガポールは素晴らしいが、生活コストが高すぎるし、窮屈で住むのに適していない。フィリピンは英語が通じるのがいいが、自然災害があり、治安の問題も大きい。インドネシアは人口密度が高すぎる。バリ島はリゾートならいいが、住むにはちょっと…。

 最終候補として残るのは、タイとマレーシア。タイの最大の問題は、言葉。英語が普及していないし、私はタイ語を勉強しようとも思わない。さらに政治が安定していない。社会的によく見ると、決して「微笑みの国」ではない。最後にタイ料理は意外にもレパートリーがそれほど広くないので、飽きが来る。

 いよいよ、最終候補に残る唯一の国は、マレーシアである。上記のすべてをほぼカバーできるだけでなく、私にとっては短所らしい短所は見当たらない。マレーシアは、どこそこの人気移住先ランキング首位だからでなく、たまたま自分の検証結果と一致しただけだった。

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