マレーシアのノロノロ電車とボロボロ駅舎

 マレーシア在住10年、初の電車体験。遅いが、意外にも快適。マレーシアは基本的に車社会。電車は低所得者のために作られたシステムで一刻を争うニーズがないから、60kmの距離は1時間40分以上もかけて走る。時速は40km以下、しかも1時間に1本しかない。ビジネスマンにはまず利用してもらえない。

 何よりも安い。私の住む街スレンバンからKLセントラルまで、60km強で僅か9リンギット、約280円。日本なら電車の初乗りレートだ。マレーシアの場合、生活の予算は大きな幅をもって組める。貧乏なら貧乏人なりの生活ができるという意味で、優しい社会である。

 電車は決してハイテクなものではないし、駅舎もクアラルンプール中央駅(KLセントラル)を除いてかなり老朽化している。運賃が安いだけに運営できるのかと心配してしまう。そうした中でシンガポールまでの新幹線(高速鉄道)は果たして建設できるのかも定かではない。

スレンバン駅

 私はそんなマレーシアが大好きだ。いかに人間的なところが好きだ。

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