SNSは、上層階級が下層階級を搾取する最新かつ最強の仕組みである。そのメカニズムを解明しよう。
フェイスブック等SNSのビジネスモデルは、基本的に人の欲求を利用している。欲求は自律によって制御されている。誰かに強要されることなく、人々は自らSNSに熱中し長い時間(貴重な資源)を投入する。すると、大量の人が頻繁に出入れし滞留するサイバースペース(仮想空間)に広告の価値が出る。SNSはそこで莫大な利益を上げるわけだ。
SNSへの投稿のほとんどが人の欲求に関連する。大きく分けると、自慢と批判という2種類に分けられる――。
まず、批判。欲求不満を惹起する阻害要因(例:誰々が悪い)に対する批判、または、「知ってるよ」という知的欲求の発露・表出、あるいは二者の混合など、いくつかのパターンがある。
次に、自慢。欲求が満たされること、何らかの記号を人に誇示するのは、自慢であり、これはわかりやすい。美味しい食べ物を食べているとか、空港ラウンジで寛いでいるとか、ビジネスやファーストクラスに乗っているとか、高価な商品を購入したとか、高級車に乗っているとか、豪邸で裕福な生活をしているとか、名門校に合格した(子女を含めて)とか、当選したとか、昇進・昇格・独立起業したとか、ビジネスに成功したとか、著名人や有力者と一緒にいる(付き合っている)とか、メディアの取材を受けたとか、講義や講演を行ったとか、論文を発表したとか、誰も知らない情報を披露するとか…多岐にわたる。
このように、SNSは人の欲求を利用して巨額の利益を上げ、オーナーや経営者らは上層階級の頂点に上り詰める。下層階級はひとえに自らの欲求をエンジンに、誰にも強要されることなく、来る日も来る日も無償でSNSの奴隷になり、しかも自分の貴重な時間資源を費やしてまで、自発的に労働しているのだ。これは、史上最強の搾取モデル、仕組みと言える。
繰り返しているが、「仕組み」がすべてだ。お金を稼ぐ4つの方法――。
1. 労働で、立って稼ぐ。
2. 経営で、座って稼ぐ。
3. 資本で、横たわって稼ぐ。
4. 仕組みで、寝ながら稼ぐ。
もちろん、SNSに一方的に搾取されるのではなく、逆に自分にとっての価値を絞り出す少数の人もいる(事例省略)。目的意識を持つことが大切だ。貴重な人生、時間資源を単に無思慮・無思考的にSNS企業の株主、上層階級の利益に貢献するのは、あまりにも馬鹿馬鹿しい。
だが、残念なことに、大方の人はSNSで上層階級に搾取されている。これからも搾取され続けるだろう。しかも、いつまでも自分が搾取されていることに気付かない、気付こうとしない、気付きたくない、そして気付く能力もない。大多数の下層階級は、はっきり言って頭が悪いからだ。