● 日本人怒ろう
ネットでこんなのが流れている。「なんやこの国、働いたら所得税、買ったら消費税、持ったら固定資産税、住んだら住民税、飲んだら酒税、吸ったらタバコ税、乗ったら自動車税・重量税・ガソリン税、入ったら入湯税、起業したら法人税、継いだら相続税、貰っても贈与税、若いと年金、老けても介護保険料、NEWインボイスや走行距離税、そろそろ怒ろうぜ」
なんで怒らないのか。本気で怒るのだったら、なぜ、投票に行かないのか?なぜ、自民党を倒さないのか?なぜ、暴動を起こさないのか?本気で税金を払いたくないのなら、なぜ、行政サービスを求めるのか?なぜ、自己責任の競争を嫌うのか?なぜ、「保障」「安心」を求めるのか?
民主主義国家の政治家が悪いというなら、選んだ国民がもっと悪い、愚かだからだ。己の姿を見ずにして「そろそろ怒ろう」と呟く国民を見て、安心するのが政治家だ。愚民は、いつまでも搾取すれば良い。福澤諭吉『学問のすすめ』一節――。「西洋の諺に『愚民の上に苛き政府あり』とはこのことなり。こは政府の苛きにあらず、愚民のみずから招く災なり。愚民の上に苛き政府あれば、良民の上には良き政府あるの理なり……」
民主主義国家の責任の根源は、民にあり。中国の台頭、日米西側の衰退はもしや、自然の摂理、神の意思だと私が思っている。民主対独裁など、所詮人間の定義。人類史の大半以上が独裁だった。いや、民主は非常態である。紀元前のギリシャの哲学者たちは、軒並み反民主だった。なぜ?よく考えてみよう。

● 中国の技術は日本のパクリ
日本が中国を圧倒したのは、工業化。1880年以降の日本は、工業化を受け入れたが、中国はそれを拒否し、農業国にとどまった。工業が農業に圧勝。しかし、20世紀90年代から、特に21世紀初頭の四半世紀、日中は同じ工業という土俵に立った。そして工業の土俵で中国が日本に追い付き、逆転勝利を収めるや、日本人は心情的にそれを受け入れられない。
何よりも、中国はあらゆる製品を作れる世界唯一の完全なサプライチェーンを整備した。ベトナムもインドも逆立ちしても叶わない。未だに、「日本技術」の残照にしがみつく日本人はまさにその写実。
中国の新製品は、日本の技術をパクっているという。だったら、訴えたらいい。リバースエンジニアリングは、特許に触れていなければ、違法ではない。そもそも、日本だって昔アメリカをパクっていたのではないか。技術を持っているのだから、パクられる前に新製品を作ればいいじゃないか。なぜできないのか?
BYDのEV車は、特許が2万5000点以上もある。パクられた技術が再パクリを許さない強かさ。パクリパクリと言って、名誉毀損で訴えられたらオチだ。善悪はない。あるのは強弱だけ。
リバースエンジニアリング以外に、日本人技術者の貢献も大きい。大手メーカーの技術者の引き抜き。日本国内の3~5倍の年俸を出されても、動じず、オファーを拒否する日本人サラリーマンは、何人いるか?さらにリストラも活用すれば、人材に困ることはない。私は以前、日本人技術者のヘッドハンティングを頼まれたことがある。指定された日本企業の指定された部門の技術者の獲得に成功すれば、1件あたりの報酬は数百万円から数千万円。断ったけれど、断らないスペシャリストもいるだろう。
日本人技術者や斡旋業者を、売国奴と批判しても、状況が変わらない。競業忌避はもちろんザル状態、高額報酬やインセンティブ制度皆無の日本企業が一番の問題ではないか。
日本の最大の負けは、基幹産業を失ったことだ。今やライバル中国人のインバウンドを頼りにして観光立国を夢想している。インバウンド観光業が日本の基幹産業になり得ない、と私が繰り返し主張している。日本の製造業がGDPの20%を占め、辛うじてまだ経済を支えている。これに対して観光業が6.8%%(2023年データ・WTTC)。それが倍増しても15%にすら届かない。仮に15%に達した場合でも、受け入れキャパが到底追いつかないことが明かだ。しかも、製造業と違って、インバウンド観光業は外国、特に日本と関係の悪い中国に握られている。いかに不安定か、まとめに考えれば誰もが分かることだ。
インバウンド業の方は、ミクロ的に富裕層がどうのこうの主張するが、マクロ的な国家産業戦略の視点が欠落している。日本の経済規模は世界4位、総量がまだまだ大きい。それだけの国がインバウンド観光を基幹産業にしようとすること自体が、非現実的かつ危険だ。日本には、製造業しかない。観光業はお小遣い稼ぎだ。
● 飼い犬そして民主主義の欺瞞性
他国(他者)の飼い犬になること。それも1つの生き方なので、軽蔑されるべきではない。ただ、飼い犬なのにドッグフードが自前で、働かされ、搾取され、戦いあれば最前線に駆り出され、真っ先に死ぬ、という状況なら、さすがに飼い犬の本来あるべき姿ではないだろう。日本も台湾もいささか異様な雰囲気だ。民主主義を名乗るだけの、飼い犬にも及ばない従属国家でしかない。
一方、ロシアを見よ。3月17日開票が行われたロシア大統領選で、プーチン大統領が87%の得票率(投票率は74%)で通算5選を果たした。前回2018年大統領選の78%を上回る過去最高の得票率だ。ほぼ9割のロシア国民が、プーチン、ウクライナ侵攻を支持している。
民主主義の基本は、民意。民意こそが正義。ロシアの民意を尊重しよう。プーチンは、民意にも天意にも沿って、正しいことをしている。民主主義の結果として、台湾統一を問う投票を中国で行ったら、おそらく同じ9割の票が集まるだろう。西側が見たくない民意も民意なのだ。民意には、善も悪もない。
米欧・西側諸国の御用メディアは、ロシアの民意を「暴走」と表現している。米国の意に反するものが全て非正義だと。民主主義の基本である「民意」を蔑ろにするのも、また米欧・西側自身。二重基準にも程がある。すでに無恥の境界に達している。
香港では、スパイ行為など国家の安全を脅かす行為を取り締まる「国家安全条例案」が可決され、3月23日に同条例が施行された。これもまた米欧・西側社会が一斉に反発、批判する。この手の立法は、米国や台湾、西側がはるかに先行している。特に香港がどうのこうのというものではない。言論統制というのなら、民主主義社会には統制がないのだろうか?民主の偽装を施しながらの潜在的な統制がより欺瞞性に満ち、悪質である。
● 自信喪失の米国
叩き潰せ。Appleを抑えた華為、Facebookを抑えたTik Tok、テスラを抑えたBYD…。米国を超越する中国を叩き潰せ。米国は既に自信喪失症にかかり、余裕を失っている。民主主義の多様性も、市場経済の競争メカニズムも、大国の矜持も、全てが失われた。
● 大谷翔平と愚民
大谷翔平カップルの写真やら賭博問題やら、大谷の名が出るだけで大騒ぎする人たち。自分の暮らしに何の関係があるのだろうか。大谷など何の関係もない他人に振り回される人たちは、単に自分の人生を無駄にしているだけ。人生の貴重な時間、ほかに使い道がいくらでもあるのに…。限りある命・時間、どうでもいい他人よりも愛する家族やペットに向けたい。大谷を追いかけるくらいなら、昆虫観察がはるかに有意義だ。どうしようもない愚民ども。




