ハワイ(2)~感謝と気持ちの伝え方、ハワイのレイ文化

<前回>

 モロカイ島を案内してくれたのは、島在住の日本人アーティスト、山崎美弥子さん(略歴は文末付記)。

72547_2美弥子さんの指導のもとで、ティーリーフのレイを作る

 朝、ホテルまで迎えに来てくれると、すぐにフロント係に断ってホテルの庭でティーリーフの採取が始まる。レイを作るためだ。

 レイは、魔除や供物として用いられ、その文化は古来ポリネシア人たちによって伝来していた。今回作るティーリーフのレイは日本の門松のような、魔除けの意味があってお守りとしての存在だ。また、日本人にお馴染みのフラとも重要な関係があり、フラダンサーのスカートにもティーリーフが使われている。

72547_3出来上がり!

 美弥子さん曰く、「レイの材料はこだわりません。貝殻や草花、身の回りにあるものなら何でもいい。気持ちです。感謝の気持ちや愛情を込めて、自分だけのレイを作って人にプレゼントするのです。相手の首を包み込むように、レイをかけてあげるのが愛情表現です」

 なるほど納得。レイを贈る時に、このような気持ちを総括してハワイ語で「アロハ」と、人間の絆を強めていくのが、ハワイ流のマナーだ。

72547_4美弥子さんの車内にも、お守りのレイがかかっている

<山崎美弥子さんの略歴>

 アーティスト。1969年、東京生まれ。多摩美術大学絵画科卒業。90年代後半東京のシーンを盛り上げたファッションイラストレーションで活躍したのち、観客と共に大きな水色のケーキを作る「海と空の結婚パーティー」などのアートプロジェクトの他、 絵画、写真、映像、インスタレーションの作品を国内外のアートギャラリーや美術館で発表する。映像作品はL.Aのレスフェスト・デジタル・フィルム・フェスティバルに入選。一変し、2004年より船上生活を始め、現在はハワイのモロカイ島に心理学者の夫と、ふたりの娘と暮らしている。 著書「モロカイ島の贈り物」(山崎美弥子著 産業編集センター刊)

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